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ラグビー明大の司令塔「田村優2世」伊藤耕太郎は、創部100周年の節目を優勝で飾ることができるか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【10番の伊藤耕太郎が語った「明治らしさ」とは?】

 大学も田村先輩と同じく明治大に進学。1年時こそ「カウンターが好きなので」とFBに挑戦したが、シーズン後半からは再びSOのポジションに切り替えた。当初はチャンスを掴めなかったが、大学ラグビーの強度に慣れ、フィジカルも5kgほどアップさせたことで、2年時からは10番のレギュラーを奪取。その後、4年時まで対抗戦の全試合で出場を果たしている。

 2年前に取材した時、伊藤は「明治のSOなら伊藤、と言われるようになりたい」と話していた。それをまさに有言実行してみせた。

 大学選手権では悔しい経験が続いている。2シーズン前は決勝戦で帝京大に屈し、昨シーズンは対抗戦最終戦の早明戦で負傷して出場することができず。 

 また、伊藤は出場した帝京大戦でいまだ白星を飾ったことがなく、小・中・高・大のカテゴリーでいずれも日本一になった経験もない。いろんな思いを抱えながら、帝京大との大学選手権・決勝戦(1月13日・国立競技場)を迎える。

「昨年11月の対抗戦で帝京大さんと対戦した時は、アタックもディフェンスも受けてしまった(明治大は11-43で大敗)。今回の決勝戦ではこの1年間でやってきた明治のラグビーをぶつけてリベンジし、100周年で優勝したい!」

 あらためて、伊藤に「明治らしさ、明治ラグビーとは?」と聞いてみた。

「アタックだったら、モメンタム(勢い)を持ってひとりひとりが1対1で勝って前に出る。ディフェンスだったら、ラインスピードを上げて相手にプレッシャーをかける。オフザボールでの泥くさいプレーが『明治らしさ』かな」

 攻撃的司令塔である伊藤が攻守にわたって「明治ラグビー」そして「前へ」を体現すれば、100周年という節目に5年ぶり14度目の優勝タイトルを引き寄せることができるはずだ。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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