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「史上最高レベル」の外国人選手たちがリーグワンに参戦 なぜ多くの世界的スターたちが日本を選ぶのか (2ページ目)

  • 直江光信●取材・文 text by Naoe Mitsunobu

【"黒衣軍"が続々来日。世界MVPのサヴェアは神戸へ】

 超一流の名手が並ぶ今季の新加入選手の中でもとびきりのビッグネームといえば、ニュージーランド代表のナンバーエイト(No.8)、アーディー・サヴェア(コベルコ神戸スティーラーズ)だろう。ワールドカップ・フランス大会では6試合に出場して攻守に圧倒的な存在感を発揮し、"オールブラックス"(黒衣軍)を頂点へあと一歩のところまで牽引した。決勝翌日の10月29日にパリのオペラ・ガルニエで行なわれた国際統括団体・ワールドラグビーの年間表彰式において、2023シーズンの世界最優秀選手にも選出されている。

 プレーの特長は、全身から闘志を発散させて相手を制圧する猛烈な突進とタックル。フォワード(FW)ながらバックス(BK)並みの走力を有し、エネルギッシュに走り回ってあらゆる局面で驚異的な働きぶりを見せる。ここ数シーズン、やや元気のない戦いが続いている神戸に、特大の活力をもたらしてくれるはずだ。

 ニュージーランド代表では他にもラグビー王国の司令塔、スタンドオフ(SO)リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京)と、魔法のようなパスワークで"トライアシストキング"の異名を持つスクラムハーフ(SH)アーロン・スミス(トヨタヴェルブリッツ)の移籍も世界的なニュースになった。なお東芝にはパワーとスキルを兼ね備えたフランカー(FL)シャノン・フリゼル、トヨタには世界最高のプレーメーカーとも称されるSOボーデン・バレット、神戸には2014年世界最優秀選手のロック(LO)ブロディー・レタリックも合わせて加入する。バレットは2021シーズンに東京サントリーサンゴリアスで、レタリックも2020、2021シーズンに神戸でプレーしており、3季ぶりの日本復帰を歓迎するファンは多いだろう。

 さらに11月には、2020年から"黒衣軍"のキャプテンを務めてきたFLサム・ケインのサントリー入りというビッグニュースも飛び込んできた。今年のワールドカップ決勝では前半29分にレッドカードを受け(退場処分)、失意に沈んだケインだが、献身的なタックルとボール争奪局面でのハードワークは世界最高レベル。周囲の雑音に惑わされず黙々と役割を果たす人間性でも信頼を集める選手であり、チームにさまざまな好影響を与えそうだ。

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