ラグビーW杯を笹崎アナと忽滑谷アナが語り合う それぞれの「エモポイント」は? (2ページ目)
──日本代表は新キャプテンにFL(フランカー)姫野和樹選手を任命し、新体制で臨む大会となりました。
笹崎:姫野選手は本人も話していますが、背中で引っ張るタイプ。もともと大学卒業後、トヨタヴェルブリッツ加入1年目からキャプテンを任されていますし、自分の中にしっかりとしたキャプテンシーを持っているので、頼れるチームリーダーだと思います。
ただ、これまで自由に思い切ってプレーをしている姿を見てきた、いちファンとしては「プレッシャーはないのかな」と少し不安に思っていました。先頭に立つことに対して重みを感じ、自身のプレーに支障が出ないか心配だったからです。しかし、日本代表には姫野選手をはじめ、副キャプテンのSH(スクラムハーフ)流大選手、HO(フッカー)堀江翔太選手、HO坂手淳史選手など同じ帝京大学出身者が計7名います。みんな学生時代から仲が良く、「自分たちが姫野キャプテンを支えよう」という話をよくしているので、とても心強いなと思いました。
それに姫野選手が社会人になるタイミングで、私もちょうどラグビー班に加わったので、年齢的には私の方がお姉さんなんですけど、彼が海外や代表で活躍する姿は本当に感慨深くて。いまはお母さん、いえ、おばあちゃんぐらいの気持ちで見ています(笑)。
姫野選手を孫のように思って見守っているという笹崎アナウンサーこの記事に関連する写真を見る
──では、日本代表の推し選手を教えてください。
忽滑谷:SO(スタンドオフ)松田力也選手です。日テレに入社してからスポーツキャスターとして初めて一対一で取材させてもらったラグビー選手が松田選手だったんです。今年4月から担当している『news every.』のスポーツキャスターとしてお話を聞いた時に、「19年大会でラグビーが日本全体で盛り上がったのは、いち競技者として本当に嬉しかった。でも、自分が10番を背負って日本のために戦えなかったことに対する悔しさの方が大きかった」と4年越しの思いを話してくれました。
それを聞いたとき、改めて前回大会で巻き起こったラグビーブームの一方で、悔しい思いをバネにして、4年間、努力を続けてきた人たちが、きっとたくさんいたんだな、と。そんな選手たちが日の丸を背負って戦ってくれる、この日本代表は本当の意味で強いチームなんだと感じ、より応援したい気持ちが強くなりました。
忽滑谷アナの推しはSOの松田力也選手この記事に関連する写真を見る
──表側だけでは読み取れない、さまざまな思いや感情が裏側にはあるわけですね。笹崎さんはどうでしょう?
笹崎:全選手について魅力や期待を語れるぐらい"箱推し"なので、ひとりには決められないんですけど......(笑)。
──では、チリ戦で印象に残った選手は誰ですか?
笹崎:流選手、坂手選手、堀江選手、FL/NO.8(ナンバーエイト)リーチ・マイケル選手、LO(ロック)ワーナー・ディアンズ選手、LO/FLアマト・ファカタヴァ選手。
忽滑谷:多い(笑)。
笹崎:やっぱりすごいなと思った選手たちなのですが、強いて挙げるとすれば......流選手ですかね。
──それはなぜですか?
笹崎:彼は国内リーグでもずっとキャプテンとしてチームを引っ張ってきて、本当に頼りになる選手なんです。今回、姫野選手が新キャプテンに就任し、流選手が副キャプテンに決まった時も「姫野は少し頼りないんで、俺がサポートします」なんていじったりもしますし、よく「ご飯奢ってます」って言ったりしています。
忽滑谷:仲良いな〜。
笹崎:だよね(笑)。でもそういう先輩がひとりでも同じチームにいるっていうのはすごく大きくて。より頑張らなきゃっていう気持ちにもなるだろうし、心の拠り所にもなってくれるだろうなって。試合でも100〜120%の力を出せると思うんです。姫野選手はチリ戦、相当出たかったと思いますけど、流選手がいることで安心して試合を任せることができた。それだけ彼はチームになくてはならない存在だと思うんです。
それに強気な性格なのも私は好きで、弱気になったり、諦めたりしている姿なんて今まで見たことがありません。8月に開催された壮行会の時も、「日本のみなさんは、目標は優勝と言っていることについて、現実的ではないと思っているかもしれない。でも僕たちは自分たちのことを信じているし、やります。だから見ていてください」とハッキリ決意を口にしたんです。やっぱり言ったことには責任を持たなきゃいけないじゃないですか。それをプレーで実現させるって、相当プレッシャーもあるはず。それでも、あえて、あの場所で言えるメンタルの強さ、本当にものすごい人だと思うんです。
あと、流選手は今大会を最後に代表のジャージを脱ぐと明言されていますから、個人的にも同い年ですし、より長く代表としてプレーしている姿が見たい。優勝する瞬間まで流選手の勇姿を目に焼き付けたい。そういう意味でも、とても推しています。
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