トライ王・大畑大介がラグビー日本代表の実力を分析。過去0勝6敗のオールブラックスから勝利を奪う秘策とは? (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「ワールドカップを1年後に控えた今、オールブラックス戦は日本代表にとってプラスでしかないでしょう。オーストラリアA代表との3連戦で自分たちの強みを再認識し、課題が見えたなか、欧州に行く前に世界一の攻撃力を誇るオールブラックスと対戦できることは大きいです。

 ごまかしが効かない相手なので、日本は丸裸にされるでしょう。その結果、日本はこれからどこを強化するのか、補強するのかが明確に見えてくるので、すばらしいゲームになると思います」

---- 日本代表とオールブラックスの過去の対戦成績は0勝6敗。どうしたら勝つ流れに持っていけるでしょうか?

「アタックでは、自分たちがボールをキープした時にしっかりと得点を重ねること。ボールを相手に渡した時は、いかにプレッシャーをかけ続けられるかが大事。オールブラックスは前を向いてスペースを見つければ、ボールも人も動いてアタックを仕掛けてきます。日本としてはハイプレッシャーで相手に前を向いて判断させず、考える時間とスペースを奪っていきたい。

 いずれにせよアタック、ディフェンスの両方で常にプレッシャーをかけ続けていかないと勝つことはできません。今年、オールブラックスがアイルランド代表とアルゼンチン代表に負けた試合では、相手のプレッシャーの前にもろさを見せていました。日本代表も80分間、プランを持って相手に一瞬の隙も与えず、同じような状況にもっていくことが必要です」

◆大畑大介の視点(後編)はこちら>>注目の若手ラガーマン。FL下川は「令和の大野均」SO李は「驚くべき成長」


【profile】
大畑大介(おおはた・だいすけ)
1975年11月11日生まれ、大阪府大阪市出身。東海大付属仰星高→京都産業大を経て、1998年に神戸製鋼へ入社。日本代表歴は1996年に初キャップを獲得し、通算58キャップを保有する。ワールドカップは2度(1999年・2003年)出場し、テストマッチ通算で世界最多69トライを記録。2011年に現役引退。2016年、ワールドラグビー殿堂入り。ポジション=WTB、CTB。身長176cm、体重82kg(現役時代)。

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