トライ王・大畑大介がラグビー日本代表の実力を分析。過去0勝6敗のオールブラックスから勝利を奪う秘策とは? (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「強度の高い相手にできたことと、できなかったことがありましたね。まずよかった点は、しっかり得点を挙げられたこと。攻撃はデザインしたものが気持ちよくできていました。

 また、偶然ではなく、練習を見ているかのように、自分たちがプランニングしたプレーで挙げた綺麗なトライが数多くありました。自分たちのアタックを遂行すればトップチーム相手でもスコアできることを明確に示せたと思います。

---- 一方でチームの課題はどうでしょう?

「オーストラリアA代表との3試合で見えた課題は、ゲーム終盤の戦い方ですね。これまで日本代表はどちらかというと終盤に巻き返すことが多かったのですが、80分間を戦うマネジメントも含めて、終盤も同じように戦うのではなく、エリアの取り方などリードしたなかでの戦い方がもっとうまくできたのではないか。

 対してディフェンスは、春から取り組んでいるダブルタックルがしっかりできている部分もありました。しかし、時間が経つにつれて疲れもあり、1対2が1対1になってしまいラインブレイクされる場面も多々あった。練習では頭もクリアで体もフレッシュですが、試合というタイトな状況でストレスを抱えたなかで戦うと、また違ってきます。

 ただ、1戦目、2戦目ともにリードをひっくり返されて負けたことはネガティブに見えますが、逆に言えば、どういうところを改善すべきか見えたので、それはポジティブな課題です。いずれにせよ、2019年ワールドカップ前と比べて世界トップチームとの対戦が少なく、経験は踏めていない状況ではあったので、日本代表の立ち位置がわかった3戦だったかなと思います」

---- いよいよ10月29日、日本代表は強豪との秋のテストマッチ3連戦の1戦目として「オールブラックス」ニュージーランド代表と対戦します(2戦目=11月12日イングランド戦/ロンドン、3戦目=11月20日フランス戦/トゥールーズ)。過去のオールブラックス戦を振り返ると、2013年には6−54、2018年には31−69でともに大敗しています。

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