「ラグビー界の太陽」平尾誠二が旅立って5年。大畑大介が今も人生の指針としている言葉 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by AFLO

---- 平尾氏との思い出は尽きないですね。

「実は平尾さんが亡くなられる1年ほど前、お電話をいただいたことがありました。『どうしても外せない仕事が入っているから(別の用事に)行かれへん。お前やったら俺の代わりができるから行ってくれへんか』と頼まれました。僕にとってはすごくうれしい言葉でした。僕はずっと、太陽である平尾さんにどこかで振り向いてほしかったので、認められたような気がしましたね」

---- 大畑さんは引退後、神戸製鋼(2022年1月に開幕するリーグワン参入に伴いコベルコ神戸スティーラーズに名称変更)のアンバサダーを続けています。チームに「平尾イズム」はどう活きていると感じますか?

「それは、創造的破壊というか、やはり新しいカルチャーを作っていこうという姿勢です。神戸というチームは既存のものにとらわれるのではなく、もっともっと自由な発想を持ってやっていい。そこの意識は今も変わりません」

 2011年の引退後もラグビーの普及・育成に関わり続ける大畑氏にとって、今でも平尾氏は「太陽」であることに変わりない。「今も平尾さんに見られていると思うので、余計にがんばらなきゃいけないですね!」と前を向いた。

(後編につづく)

【profile】
大畑大介(おおはた・だいすけ)
1975年11月11日生まれ、大阪府大阪市出身。1998年に京都産業大から神戸製鋼に入社。主にWTBやCTBでプレーし、日本代表でも長く主軸として活躍する。圧倒的なスピードを生かしてトライを量産し、日本代表58キャップで69トライを記録。2011年に現役を引退し、現在はコベルコ神戸スティーラーズのアンバサダーを務めるなど、ラグビーの振興普及の活動を続けている。

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