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南ア戦で日本の勝利はFW次第。
姫野和樹「前にいけるか。自分に期待」 (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 要は、8人がコンパクトにまとまって、どれだけ組めるかということだ。何もスクラムを全部、押し切る必要はない。エリアによって力の入れ具合も微妙に変わってくる。ピンチ、チャンスでの集中力。80分間、ディテールを遂行できるかどうか、だろう。

 大会公式記録をみると、日本は一次リーグでマイボールスクラムを21本組んで、1本だけ相手にとられた。マイボールのラインアウトの成功率は41回中37回と成功率は90%となっている。この数字は維持したい。

 嫌な展開と言えば、相手ボールのスクラムでペナルティーを犯すことだ。これは避けたい。こうなると、自陣のラインアウト、モールと悪循環をたどることになる。あまりセットプレーに時間を費やし、体力を奪われると、フィールドプレーに悪い影響をおよぼすことになる。

 堀江は「いつも通りにやることが大事」と強調した。

「冷静な部分と激しい部分を持ちながら、80分間、やり続けることができるのか。(ベスト8に)満足せず、気持ちを高めながら、落ち着かせながら。そのバランスが大事になる」

 加えて、大事なのは日本のディフェンスである。南アは「からだが大きくて、ボールキャリーを好むチーム」(スコット・ハンセン/ディフェンスコーチ)ゆえ、その突進をどう止めるのか。しっかりとボールキャリアの前にからだを持っていき、できるだけ、ふたりで対応(つまりダブルタックル)できるのかがポイントとなる。

 南アの得点力は高い。1次リーグでは、全20チーム中で最多得点(185点)、最多トライ(27本)をマークしている。対する日本は、総得点が参加チーム中8位の115点、総トライ数は11位の13本。日本としては、練習してきた前に出るラッシュディフェンス、ダブルタックル、細部にこだわるタックルスキルなどの精度が試されることになる。

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