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100年目の花園。「東の横綱」
桐蔭学園のSH小西泰聖に注目だ! (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 そしてもうひとつが、花園で初の単独優勝を狙う神奈川の桐蔭学園だ。身体はけっして大きくないが、FWとBKが一体となってボールを動かす「東の横綱」のキャプテンが、冒頭で触れた小西である。

 中学(ベイ東京JRC)まではSO(スタンドオフ)だったが、高校からSHに転向。高校1年からレギュラーの控えに名を連ねた。パスの長さの正確さと速さに秀でており、ディフェンスの隙をつく判断力を持ち、さらには100メートル11.4秒のスピードも武器としている。

 桐蔭学園を率いて17年目となる藤原秀之監督は、「小西はスピードが長けている。日本代表として桜のジャージーを着るような選手になってもらいたいし、小さい子の憧れとなるスター的存在にもなってほしい」と大きな期待を寄せる。

 また、藤原監督の教え子で、8月に大学生唯一の日本代表候補にも選ばれたSH齋藤直人(早稲田大3年)を引き合いに出し、「総合力ではまだ齋藤のほうが上ですが、パスや走る速さなど、本来持っている能力に関しては、もしかしたら小西のほうが上かもしれません」と高く評価する。

 春の選抜大会決勝でハットトリックを達成し、桐蔭学園を優勝に導いた小西は、10月も持ち前のスピードでルゼンチン・ブエノスアイレスのピッチを駆けた。ユース五輪の日本代表として初めて桜のジャージーを身にまとい、計6トライを奪取。南アフリカ代表を2度も撃破し、銅メダル獲得に大きく貢献した。

「日の丸を背負ってプレーする重みを感じて、すごくいい経験になりました。自分の強みであるスピードが世界の舞台でも通用して自信になりました!」

 初めての世界大会を経験した小西は、声を弾ませてこう語った。

 しかしながら、この大会で右ひざを負傷してしまい、帰国後3週間は治療に専念することになる。すでに花園予選が始まっていたが、決勝では9番をつけて先発。神奈川のライバルである慶應相手に先制トライを挙げるなどチームを鼓舞し、37-14で勝利した。

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