帝京大10連覇ストップ、あるかも。早稲田大のルーキー3人が面白い (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 その3人とは、昨年度の全国高校ラグビー大会で優勝した東海大仰星高(大阪)のCTB(センター)/WTB(ウイング)長田智希とWTB/FB(フルバック)河瀬諒介、そして一昨年度の花園で優勝した東福岡高(福岡)の右PR(プロップ)小林賢太だ。とくに長田と河瀬は、高校日本代表とU20日本代表にも招集された逸材である。

 デビューとなった大東文化大戦で非凡なタックルやランを披露し、帝京大戦でトライも挙げた長田は、小学校4年生のときに京都・亀岡ラグビースクールで楕円球に出会った。東海大仰星では2年時から先発として出場し、3年時は約100人の部員を率いる主将に抜擢。アングルチェンジで相手の隙を突くのがうまく、1対1での強さも兼ね備えている。

 相良監督は長田について、「全体が見えていて、判断力が高く、タックルも強い。ボールに関係ないところでも動いている」と高く評価している。それに対し、夏合宿で初めて試合に出場した長田は、「(試合時間が60分の)高校とは違い、80分戦うなかでのフィットネスが課題です」と語っていた。

 一方、大東文化大戦と帝京大戦で豪快なランでチャンスメイクをしていた河瀬も、小学校4年生から大阪・阿倍野ラグビースクールで競技を始めている。昨年の花園では5試合で8トライを挙げて、チームメイトの長田とともに優勝に大きく貢献。まさにMVP級の活躍だった。

 父は元日本代表No.8(ナンバーエイト)の河瀬泰治氏(現・摂南大総監督)。大阪工大高(現・常翔学園)、明治大、東芝府中(現・東芝)で活躍し、「怪物」の異名を取った名選手だ。息子の諒介は父親譲りの恵まれた体格(身長183cm)を生かし、大きなストライドを武器としている。

 夏合宿の試合で河瀬は、「緊張していましたが、思いっきりいけた」と語る一方、相手チームの外国人選手に対しては、「弾かれた部分もあったし、フィジカルは全然(ダメでした)。前に出られなかったり、タックルで止められなかったりは課題です」と、ディフェンス面での反省を口にしていた。それに対し、相良監督は「もうちょっと自信を持って、自分から空いているスペースに仕掛けるマインドが出てくれば。遠慮せずに、伸び伸びやってほしい」と期待を込める。

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