帝京大10連覇ストップ、あるかも。早稲田大のルーキー3人が面白い (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 そして、このふたりに先駆けて6月末の日本大戦で1軍デビューを飾った小林は、4歳から神戸・芦屋ラグビースクールで競技をはじめ、東福岡高時代はPRながらオフロードパスの名手としても注目された逸材だ。フィールドプレーにおいては「超高校級PR」と言っていいだろう。

 ただ、高校とはルールの違う大学で、1年生ながらどこまでスクラムを組めるのか――。その疑問に対し、相良監督は「フィールドプレーはもともといいですし、身体も大学1年生にしてはベースが強く、スクラムも組める」と語る。

 小林自身も、大学トップクラスのスクラムを誇る大東文化大戦で大きな自信を得たようだ。

「大学トップクラスの相手とスクラムを組んでみて、何本かは自分の形で組めることがあった。これを今後に活かしていきたい。アタックの部分でも絡んでいきたいが、まずはスクラムを強化しないと、自分のやりたい(フィールド)プレーはできない」

 今シーズンはスクラムを強化し、チームの勝利に貢献することに集中している。

 100周年を迎える早稲田大は今年、『Moving』というスローガンを掲げた。「グラウンドを走り回る」「ボールを動かし続ける」といった意味だけでなく、「ファンを感動させる」などの思いもあるという。

 そのスローガンを実現させるためにも、ポテンシャルの高いルーキー3人の存在は必要不可欠になりつつある。今季最初の目標は、この対抗戦でライバルの帝京大と明治大に勝利すること――。なぜならば、10年ぶりの大学日本一に輝くためには、対抗戦で優勝したほうがドロー的にも日程的にも有利となるからだ。

 今シーズンは長田、河瀬、小林の「ルーキー3人衆」に注目してもらいたい。早稲田大学ラグビー部の躍進のカギは、彼らが握っている。

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