欲張り主将、リーチ マイケル「2023年フランスW杯にも出たい」

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 2019年9月に日本で開幕するラグビーワールドカップ(W杯)まで500日を切った今年6月、「ブレイブブロッサムズ(勇敢な桜の戦士)」ラグビー日本代表はイタリア代表(2試合)とジョージア代表、計3試合の国際試合(テストマッチ)を行なう。

代表合宿でもチームの中心となっていたリーチ マイケル代表合宿でもチームの中心となっていたリーチ マイケル その桜のジャージーの「大黒柱」と言っていい存在――。それが、キャプテンのFL(フランカー)リーチ マイケルだ。昨秋、2015年のW杯以来となる日本代表キャプテンに復帰。この6月もスキッパーを任された代表53キャップのリーチは今、3度目となるW杯挑戦に何を思っているのだろうか。

 2015年のW杯終了後、心身ともにバーンアウトしてしまったリーチは、日本代表からいったん距離を取った。リーチは当時の心境をこう振り返る。

「(2016年の秋に)代表を断ったときはジェイミー(・ジョセフHC)に怒られたけど、心身ともに疲労があり、モチベーションも下がっていて、がんばっても逆効果でどんどんプレーが悪くなっていた」

 ただ、リーチはやみくもに距離を取ったわけではない。次なる目標を、しっかりと2019年に置いていた。

「W杯はラグビー選手としてトップの大会。4年間のプランを立て、頂点は2019年と思っていた。上がったら、下がる。下げないと、上がらない。休んだことでリフレッシュし、ハングリーになって復活することができた」

 代表復帰の際にこう語ったリーチを、ジョセフHCは昨年10月にふたたび主将に任命した。日本語も英語も堪能で、海外のレフェリーや外国人選手ともコミュニケーションができる。それらの点においても、リーチは主将にふさわしい存在だからだ。

「堀江(翔太)、フミ(田中史朗)、そしてリーチの経験は欠かせない。自国開催のW杯ということで、さらに(彼らの存在は)大きなものになってくる。リーチには身体でお手本になってほしい。彼は勇敢だし、選手にもコーチにもリスペクトされている」

 ジョセフHCはW杯に過去2度出場している3選手の名前を挙げ、リーチに絶大な信頼を置いていると語った。

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