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【ラグビー】1年生が元気なワセダ、
低迷脱出で打倒・帝京なるか (4ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro


 非凡な才を発揮した中野の顔には充実感があふれていた。夏合宿の帝京大戦で痛めた右ひざのケガからの復帰戦だった。

「どちらかというと、今日はワクワクした感じでした。不安とかありませんでした」

 結局、46-12だった。1年生の活躍について聞かれると、山下監督は表情をゆるめた。

「体作りをしているので、もともとあったテクニックが試合で発揮できているのだと思います。本当のスキルになってきた。あとは度胸もある。ネガティブなものがあまり身についてないので、相手に対して果敢に戦ってくれます」

 ネガティブな部分とは、"負け癖"ということだろう。早稲田は2008年度を最後に大学日本一の座から離れている。そこで一新。2002年度の大学日本一の時の主将だった山下新監督が再建に乗り出した。

 山下監督ほか、ストレングス強化担当などの約10人のフルタイムのコーチをつけた。寮の食事の運営を変え、栄養士も常駐してもらっている。学生には、「トレーニング」「リカバリー」「ニュートリション(栄養摂取)」の3つを義務付けている。ついでにいえば、スポンサーもアディダスからアシックスに変わり、ジャージも変わった。

 そのうえで、勝ち方を肌で知る山下監督は綿密な計画と準備を立て、日々、ハードワークを課している。ラインアウトからのモールディフェンスやプレーの精度などの課題も多々見えたが、どうしたって低迷打破のにおいがするではないか。

 山下監督は短く言った。

「計画どおりですね。もっともっと強くなりますよ。まだまだ」

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