【ラグビー】1年生が元気なワセダ、
低迷脱出で打倒・帝京なるか (2ページ目)
特にグラウンドで躍動したのが、早稲田の新しい力である。先発には、5人もの1年生が並んだ。正確なパス、キックでゲームをうまく運んだのが1年生スタンドオフ(SO)岸岡智樹だった。
冷静さが光る。早稲田が前半30分過ぎ、連続攻撃を仕掛けた。ラックから右。ウイング本田宗詩(そうし)からのパスが乱れる。後ろに戻って拾った岸岡だが、慌てず、焦らず、右サイドライン際に張っていた長身フランカーの加藤広人にオープンキックを蹴った。
SO岸岡が説明する。
「14番(本田)がボールを持って前にいくはずだったんです。でも、ぼくたちのコミュニケーションミスでボールを下げてしまいました。(外側に)ハイボールに強い加藤さんがいたので、そこを狙ったんです。まあ、イチかバチかのプレーの選択なんですけど、(相手の布陣は)よく見えていました」
この"キックパス"を加藤がジャンプ一番、ナイスキャッチして、そのまま右中間に躍り込んだ。技ありのトライ。約6500人の観客が大きくどよめいた。
ゴールも決まって、17-0となった。勝敗の帰趨はほぼ固まった。岸岡は笑顔で続ける。
「結果論ですけど、よかったなあと思います。いい判断ができました。うれしいです」
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