五郎丸歩が2015年をふり返る。「変わったこと、変わらないこと」 (4ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu   齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

「僕だけじゃなく、日本代表だったり、そうでないメンバーだったり、やはりラグビー界が2019年に向けて周囲の注目を集めたいなといろんな取り組みをしてきました。この注目は非常に光栄なことです。選手としてはしっかりプレーで魅了できるように頑張っていきたいと思います」

 試合は、ヤマハが33-19で快勝した。五郎丸は1人で18得点を挙げた。トップリーグのリーグ戦が終わり、五郎丸は83点で得点王に輝いた。充実の1年が終わる。「漢字1文字で?」というベタな質問に、29歳は「飛躍の『飛』です」と答えた。では来年は?

「初心に戻るということで『初』ですね」

 年明け、まずは負けたら終わりのトップリーグのプレーオフが始まる。目標はもちろん、頂点である。2連覇がかかる日本選手権があり、その後はスーパーラグビーのレッズに参加する。海外からはフランスのプロチームが五郎丸獲得に動くというニュースも流れた。

「パフォーマンスをしっかり維持しながら、先のことは考えないと言いつつも、海外にチャレンジするということで少し変化を加えなくちゃいけないというところもあります。その辺をバランスよくやっていきたいなと思います。練習や体の整え方は変えることはないですね」

 五郎丸の凄味は根っこの「変わらない」ことである。ノーブレス・オブリージュ。驕らず、騒がず、淡々の目の前のことに挑戦していくのである。

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