五郎丸歩が2015年をふり返る。「変わったこと、変わらないこと」

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu   齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 冬の青い空と、トップリーグ史上最多の満員の観衆で埋まったスタンド。いまやラグビー界の枠を越えてスターとなった五郎丸歩(ヤマハ発動機)がゴールキックの際、話題の「お祈りポーズ」を作ると、あちこちからカメラのシャッター音が聞こえてくる。

トップリーグ、キヤノン戦でゴールキックを蹴る五郎丸歩トップリーグ、キヤノン戦でゴールキックを蹴る五郎丸歩

 試合後、五郎丸が小さく笑う。

「うれしいですね。このようにたくさんのお客さんに会場に来ていただいて応援していただくというのは、スポーツ界の理想だと思いますから」

 あのワールドカップ(W杯)イングランド大会から3カ月が経った。12月26日のヤマハ発動機vsキヤノン(秩父宮)。日本代表フルバック五郎丸のW杯後の『関東初見参』だった。

 見せ場は前半11分。敵陣ゴール前のラックからの左ライン攻撃で、左隅に左足で絶妙なゴロキックを転がし、ウイングのハビリロッキーのトライを演出した。これもゲームの読みか、いいところにポジショニングしているから、いい準備ができた。

 直後の難しい位置からのゴールキックを黄色いスパイクで蹴り込んだ。W杯後のプレーの変化を問われると、五郎丸は「安定感が増したのかなと思います」と漏らした。

「(プレーの)波が非常に少なくなりましたし、キックに関しても非常に安定したリーグ戦だったと思います。いろんな経験をさせてもらっているので、ゲームの流れを読む力も年々ついてきました」
 

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