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平野早矢香が考える打倒・中国の戦術 早田ひなのダブルス起用、「異質ラバー」を使う伏兵対策も必要 (4ページ目)

  • 高樹ミナ●文 text by Takagi Mina

――今年1月の全日本選手権で代表争いに敗れた際には大粒の涙をこぼし、引退を示唆するような発言もあって心配されました。

「そこから気持ちを立て直し、世界選手権で戦えたのはすごいことだと思います。伊藤選手の実績と偉大さは何ら変わりません。これからも自信を持って、伸び伸びと卓球を続けてほしいです。新たな挑戦をするのであれば、普通の選手にはできない斬新な発想のプレーを試してみるなど、持ち味である思い切りのよさを存分に生かす挑戦をしてみてもいいかもしれません」

――そんな伊藤選手の分も、パリ五輪メンバーには頑張ってほしいですね。本番まで、追い込みの期間となります。

「本番まで4カ月を切りましたが、時間があるようで、あっという間に過ぎてしまうと思います。その中で、海外ツアーに出て世界ランキングを上げ、オリンピックで少しでも有利なシードに入ることが重要になってきます。それと並行して、オリンピックの対策練習として、『この選手に勝たなければメダルはない』という選手に絞った戦術と技術の強化にも重点が置かれます。

 このふたつを両立させるのは難しいと思いますが、どちらもすごく重要なこと。オリンピック本番のその日まで、勝った試合も負けた試合もすべてプラスに捉えて、悔いのない準備をしてほしいです」

――平野さんも北京五輪とロンドン五輪を経験していますが、大会までの期間はどんな心境になるものなのでしょうか?

「私は必死でした。不安を感じる間もなく、とにかく必死に準備しましたね。ロンドン五輪の時は6月に故障して2週間ぐらい練習できない期間があったので、そこはちょっと苦しかったです。それでもできることをやって、団体戦での銀メダルという結果につながりました。パリ五輪に出場する日本女子の3選手は世界選手権で中国に本当にあと一歩のところまで近づきましたから、今度こそ金メダルに届くんじゃないかと期待しています」

■平野早矢香(ひらの・さやか)

1985年3月24日生まれ。栃木県出身。全日本選手権のシングルスを2007年度から3連覇するなど、通算5度の優勝を達成。2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪に出場し、ロンドン五輪の団体戦で日本卓球史上初の銀メダル獲得に貢献した。2016年4月に現役を引退後は、後輩の指導をはじめ、講習会や解説など卓球の普及活動にも取り組んでいる。

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