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最強王者にうんざり?
全米がスーパーボウルでイーグルスを判官びいき (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

試合日時は現地時間。チーム名の丸数字はシード順位試合日時は現地時間。チーム名の丸数字はシード順位 事実、ファン投票でもペイトリオッツの地元ニューイングランド地方(マサチューセッツ州ボストン近辺)など一部をのぞき、全米の多くの州のファンが「ペイトリオッツの対戦相手を応援する」という傾向が見られる。今回のスーパーボウルにおいても、一部アメリカメディアの調査によると、全米50州のうち45州がイーグルスを応援しているという結果が出たほどだ。

 まさにペイトリオッツは、野球でいえばニューヨーク・ヤンキースのように「負けるところが見たい」と大衆から残酷な感情を引き出してしまうNFL唯一のチームと言える。

 ましてや今回の相手は、バックアップQBが率いてスーパーボウルまで上り詰めたイーグルスだ。スーパーボウル進出は3度目だが、まだ一度も頂点を掴んだことがない(スーパーボウルが始まった1966年シーズン以前にはNFLのタイトルを3度獲得している)。「ペイトリオッツに対して勝ち目はない」と思われており、彼らが同情されるのも仕方のないことだろう。

 しかし、世間が思うほどイーグルスのチャンスが小さなものかといえば、そうではないかもしれない。たしかにQBとしての力量も、実績も、ブレイディとフォールズの間には大きな差がある。しかし、チームの総合力という点において、イーグルスはペイトリオッツに伍する力があるのだ。

 まず、ペイトリオッツおよびブレイディに勝つためには、イーグルスの守備ラインはパスラッシュでQBにプレッシャーをかけることが必須だ。ただ、今年のAFCチャンピオンシップ・ラウンドのジャクソンビル・ジャガーズしかり、昨年スーパーボウルのアトランタ・ファルコンズしかり、リードを奪いながらも試合終盤に守備ラインがガス欠を起こし、ブレイディに逆転劇を演じられてしまった。

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