2018.02.04

最強王者にうんざり?
全米がスーパーボウルでイーグルスを判官びいき

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 昨年3月、フィラデルフィア・イーグルスのハウィー・ローズマンGMは、QB(クォーターバック)ニック・フォールズと2年総額1100万ドル(約12億円)の契約を結んだ。イーグルスには前年のドラフト全体2番目指名で獲得したカーソン・ウェンツという先発QBがいる。フォールズに対してのその契約内容は、エースQBに何かが起きないかぎり出番のないバックアップへのものとしては破格だった。

控えQBから主役の座に躍り出たイーグルスのニック・フォールズ それが結果的に、「当たった」形となった。ウェンツがレギュラーシーズン第14週に大ケガを負って今季絶望となったものの、その控えQBがポストシーズンに入って存在感を示したことで、最高峰の舞台までたどり着くことができたのだ。

 現地2月4日(日本時間2月5日)、NFLの頂点を決めるスーパーボウルがミネソタ州ミネアポリスのUSバンク・スタジアムで開催される。52回目となる今年は、ディフェンディング王者のニューイングランド・ペイトリオッツと、13年ぶりの出場となったイーグルスとの対戦となる。

 2005年の第39回大会で対戦している両チーム。そのときはペイトリオッツが24-21でイーグルスを下し、2004年に続いてスーパーボウル2連覇を達成している。

 21世紀に入ってからのペイトリオッツの強さは、他球団の追随を許さない。同軍は今回で史上最多10回目のスーパーボウル進出となったが、ビル・ベリチックHCとQBトム・ブレイディの体制となった2001年シーズンから数えると、その出場回数は実に8度目。大逆転で頂点を掴んだ昨年も含め、このコンビで合計5つものスーパーボウルリングを手にしている。

 よって今回も、メディアやファンの勝敗予想、そしてラスベガスのオッズはともにペイトリオッツの絶対的優位。これまでの実績を考えれば、戦前の下馬評は当然のことだろう。

 その憎らしいほどの強さゆえに、今やペイトリオッツはパブリックエネミー(社会の敵)といった存在に感じる人も増えている。過去のいくつかの不正疑惑も、それに拍車をかけているだろう。相手チームのディフェンスシグナルをビデオで撮影したとされる「スパイゲート事件」や、ブレイディが投げやすい状態にまでボールの空気圧を減圧したとされる「デフレートゲート事件」など、世間を騒がせた行為でペイトリオッツを嫌うNFLファンは少なくない。