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【Bリーグ】長崎ヴェルカは史上最速・創設5年でファイナル進出 5年連続ファイナリスト琉球にどう戦いを挑むのか (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【選手個々の力量は長崎が勝る】

 シリーズ初戦の後半。守備のギアを上げた琉球は徐々に相手を引き離し、第4クォーターのなかばには点差を20まで広げた。ただ、クォーターファイナルで19点差から挽回して勝利を収めた名古屋Dだけに、桶谷HCやベテランのPG/SG岸本隆一はそれが頭にあったという。

「20点くらい点差が開いた時、ベンチにいた隆一が僕のところに来て、『桶さん、宇都宮は20点差から負けているので、オフィシャルタイムアウトの時にもう1回(チームを)締めてもらっていいですか?』という話をしてくれました。そういう選手がいる、そういう話ができるっていうところが、今の強さじゃないかなって思っています」

 桶谷HCは、第4クォーターでの出来事をこのように振り返った。

 選手個々の力量という点においては、長崎が琉球を上回っているかもしれない。400試合以上のNBA出場実績を誇り今季リーグ2位の平均22.8得点を記録したSFスタンリー・ジョンソンや、3P成功率1位に輝いた韓国代表のSG/SFイ・ヒョンジュン、そして日本代表のSG/SF馬場雄大らを抱える。ただ、「強みは総合力」と桶谷HCが自負する琉球には、その力で相手を上回ってきた実績がある。

 ぶ厚い勝者の文化を持つファイナル常連の琉球に、初の大舞台に立つ長崎が挑む。プレーオフのシード順は長崎のほうが上だが、琉球は年月をかけて全国にファンを獲得してきた背景もある(SNSのフォロワー数を比べても琉球のほうが段違いで多い)。最大で約1万3千人を収容する横浜アリーナのスタンドは、琉球ファンの割合が高くなるだろうか。やはり今回のカードは、「長崎が挑む」という表現が馴染む。

 長崎はCSの4試合で、相手のターンオーバーから平均21.8得点を挙げている。高い圧をかけてボールを奪うディフェンスで、いかに琉球を平静にプレーさせないかが、ファイナルの明暗を分ける大きな要素となりそうだ。

 ただファイナルは、ふたつ勝った時点で終了する。桶谷HCは過去のファイナルの際に、勝敗は「サイコロを投げるようなもの」と表現した。

 短い決戦の行方がどう転ずるかは、まさしく賽(さい)が投げられるまでわからない。

著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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