プロ1年目のFE名古屋・内尾聡理が社会貢献プロジェクトを立ち上げ ひとり親家庭の経験を踏まえ「子どもたちを応援したい」 (3ページ目)
社会貢献活動(子ども支援)プロジェクト『S.U future』の活動も行なう
【子どもたちのためにできることを】
迎えたルーキーイヤーの今シーズン。内尾はチームの勝利のために懸命にプレーする一方で、同年11月に社会貢献活動(子ども支援)プロジェクト『S.U future』を立ち上げた。これまでバスケも勉強も、時にはアルバイトも同時に全力で行なってきた内尾にとって並行しての活動は苦にならないどころか、むしろ普段どおりの取り組みだった。
このプロジェクトを立ち上げた思いを内尾はこう語る。
「ぼくはひとり親家庭で育ちましたが、母親のおかげで大好きなバスケを続けることができました。また、僕はいい人たちに出会えて育ててもらったので、人に恵まれていたと思っています。でも、なかには続けたくても続けられない家庭環境の子どもや、支援を受けられる道があるのに、その情報が届かなかったせいでやりたいことをあきらめてしまう子どもがいます。そんな子どもたちを応援したいと思っています。僕をきっかけに夢を持てたり、新しいものの見方や考え方ができたりしてくれたら、プロ選手としてやっている意味があると思い、このプロジェクトを立ち上げました」
また、自ら立ち上げたのは、移籍の多いプロの世界にあって、たとえチームが変わっても、「自分が主体としてやるプロジェクトであれば、子どもたちにストレートに思いを伝えやすいから」という理由があった。その活動はすぐに始動し、「コラボの洗顔料をつくって、その売り上げをひとり親家庭の支援、子ども料理教室に使う」という。
さらに今シーズンのオフにも、熊本県にある『子ども第三の家』に訪問する予定がある。ここは、母親がフルタイム勤務しているため家に帰っても誰もいない、家庭で虐待を受けている、勉強をしたくても塾に通う経済的な余裕がないなど、家庭の事情で困難に直面している子どもたちが集う施設だ。
まさにひとり親家庭に育った内尾が少年時代に感じた思いと、同じような思いを抱いている子どもたちのための施設だ。「体を動かすことも含めて、何か楽しい活動ができればいいかなと思っている」と内尾は今からこの訪問を楽しみにしている。
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