プロ1年目のFE名古屋・内尾聡理が社会貢献プロジェクトを立ち上げ ひとり親家庭の経験を踏まえ「子どもたちを応援したい」 (4ページ目)
全力にがむしゃらにプレーする内尾
【プレーで人の心を支える】
このような活動を行ないながらも、バスケに全力を注いでいる内尾。すでにチームにとって不可欠な選手になっている。持ち前のディフェンス力で数々のピンチを防ぐなど、そのプレーぶりはがむしゃらそのもの。相手エースにとってはやっかいな存在だ。
そのひたむきな姿は、すでに人の心を動かしている。実際に重い病気にかかり、精神的にもどん底だった人が、内尾のプレーを見て生きる活力が湧き、心の支えとなったと聞く。「僕は本当に一生懸命にやっているだけで、僕みたいなプレーヤーでも元気になってもらえたんだと思うと、また頑張ろうと思います」と内尾は謙遜するが、その真摯で決してあきらめないプレーぶりは見る者に訴えかける何かがある。
今後の目標は「Bリーグのトップのレベルでコンスタントに安定して活躍すること」だが、その先には日本代表入りも目指したいと語る。その素質は十分にあるだろう。
ひとり親家庭で育ち、「母は僕がやると決めたことに対しては、なんでも惜しみなく力を注いでくれた」と最大限の愛情を注がれてきた内尾。そんな彼が今プロ選手となり、同じような境遇の子どもたちを含め、前に進もうとするすべての子どもたちに対して、惜しみなく力を注ぎたいと考えている。
プロ選手はどんな存在なのか、そしてその役割は何なのか。内尾の解答は、懸命にプレーする姿を見せてあこがれの存在になること、そして同時に社会貢献活動を通してたくさんの子どもたちの希望になること。その実現に向け、まずは第一歩を踏み出した。
【Profile】
内尾聡理(うちお・そうり)
2001年4月12日生まれ、福岡県出身。184cm、81kg。PG/SG。小学1年のときに小倉ミニバスケットボールクラブに加入すると、徐々に才能を発揮。中学3年時にはU-16日本代表に招集される。高校は名門・福岡第一に進学し、3年時にインターハイ、国体、ウインターカップの三冠を達成する。中央大学ではキャプテンとして活躍。大学4年時に千葉ジェッツに特別指定選手として加入。2024年6月にファイティングイーグルス名古屋に移籍した。姉は富士通レッドウェーブ所属の内尾聡菜(うちお・あきな)。
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