河村勇輝がパリオリンピックへの思いを語る「スピードは絶対に負けない」「120%の力を出す」 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【ドイツとの再戦はワクワクしかない】

── オリンピックはワールドカップ以上に強敵ばかりが揃う大会です。河村選手は昨年のワールドカップでどのような課題を残したと感じていますか?

「流れのいい時には審判や会場の雰囲気を含めて、自分の強みを出してやりたいことができました。ただ、チームの流れが悪くなった時には相手にも(いい流れの)時間が来るわけで、ポイントガードとして自分たちのバスケットをコントロールできる役割や、流れを断ち切るプレーをできるかどうか。そこはまだまだ、だと思います。

 そういった面で言えば、富樫選手は流れの悪い時にコールなどを使い、流れを引き寄せるプレーができる選手。なので、一緒の合宿でそれを吸収できればいいなと思っています」

── 同じ司令塔として意識する部分も。

「ありますね。僕の役割は司令塔として『どのようにゲームコントロールするか』を求められているので」

── 昨年のワールドカップでドイツのデニス・シュルーダー選手(PG/ブルックリン・ネッツ)とマッチアップした際、河村選手は「彼は別格」と言っていました。シュルーダー選手とのマッチアップからはどんなことを学びましたか?

「彼は何でもできる選手。スコアもアシストも。ワールドカップの決勝や準決勝も見ましたが、『ここぞ』というところでの得点力やアシストなど、ゲームを支配する力がすごい。流れを読む力なども、40分を通して把握していると感じました」

── オリンピックでは初戦で再びドイツと対戦します。それは楽しみ? それとも怖い?

「もう、ワクワクしかないですね。マッチアップする責任感もあるので、簡単にやられすぎてしまうと結果に直結してしまう怖さはあるんですけど、ワールドカップの経験がパリオリンピックでのマッチアップにすごく活きると思います」

── 最近では、スロベニア代表のルカ・ドンチッチ選手(PG・SG/ダラス・マーベリックス)やオーストラリア代表のジョシュ・ギディー選手(PG・SG/シカゴ・ブルズ)ともマッチアップしています。NBAのトップ選手たちからどんなことを吸収できましたか?

「彼らは自分の強みをしっかりと理解してプレーしています。ドンチッチ選手やギディ選手は体のサイズを生かしたプレーをしていました。それはずるいことではなく、自分のどこにアドバンテージがあるのかと考え、それを最大限に生かせるプレーをしなければと思いました。

(自身のアドバンテージを)ひとつ挙げるならば『スピード』。それは絶対に負けない自信があります。ワールドカップでは通用した時もあれば、通用しなかったこともありました。スピードを生かしたプレーでどれだけ相手からアドバンテージを取れるか、そこを大事にしたいです」

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