河村勇輝がパリオリンピックへの思いを語る「スピードは絶対に負けない」「120%の力を出す」 (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【120パーセントの力を出さないと勝てない】

── トム・ホーバスHC(ヘッドコーチ)も、大谷翔平選手が言ったことと同じように「スター選手と対峙する時は憧れを捨てろ」と言っていました。河村選手はコートに立って、いかがでしたか?

「たしかに僕も(NBAのスター選手と)対峙して『マッチアップしている!』みたいな緊張感はなかったですね。ただ、緊張はいい方向に行くことも、悪い方向に行くこともあります。だからこそ今回のパリオリンピックは、いい方向に行くプレーができるんじゃないかと思っています」

── パリオリンピックで目標に掲げた「ベスト8進出」に向けて、日本代表は何をしなければいけないと思いますか?

「これは根性論になってしまうんですけど、『必ず勝つ』という自信やビジョンをイメージしながら取り組むことが大前提です。120パーセントの力を出さないと、僕たちは勝てないと思っています。

 その120パーセントの力を出すためには、絶対に勝つというイメージを持って練習に取り組むことが大事。チーム全員が同じ方向を向いて、勝つ気持ちを持って臨むこと。

 そのあとは、ホーバスHCが戦略を練ってくれます。それに、僕たちがどれだけ最高の水準で遂行できるかだと思います」

<了>


【profile】
河村勇輝(かわむら・ゆうき)
2001年5月2日生まれ、山口県柳井市出身。柳井中時代に全中ベスト16、福岡第一高でウインターカップ2連覇を含める全国大会タイトル4度獲得。高校3年時の2020年1月に特別指定選手として三遠ネオフェニックスに加入し、当時のB1史上最年少出場記録(18歳8カ月23日)を更新する。東海大に進学するも2022年3月に中退し、横浜ビー・コルセアーズとプロ契約を結ぶ。2022-23シーズンはBリーグMVPや新人賞を受賞。2022年7月にA代表デビューを果たし、2023年のFIBAワールドカップでは司令塔としてパリ五輪出場権の獲得に貢献。2024年7月、メンフィス・グリズリーズとエグジビット10契約に合意する。ポジション=ポイントガード。身長172cm、体重72kg。

著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

【写真】パリ五輪女子バスケ「日本代表・全メンバー」ギャラリー

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