河村勇輝がパリオリンピックへの思いを語る「スピードは絶対に負けない」「120%の力を出す」 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【僕のヒーローは富樫勇樹選手】

── ロンドン五輪はバスケ以外の競技も見ていましたか?

「バスケ以外だと陸上の印象が強いですね。100m走や、日本の強いリレーとか」

── 少年期に見ていたオリンピックで、河村選手にとってのヒーローは誰ですか?

「ヒーローですか......東京オリンピックでの富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)ですね。オリンピックという舞台で、あの身長でプレーをされて、大きな選手を相手に点を獲って、ゲームの流れを変える姿を見て......勇気をもらいました。『身長を言い訳にはできないな』『必ずここにいたいな』という気持ちにさせてくれたので、ヒーローは富樫勇樹選手だと思います」

── クリス・ポールやコービー・ブライアントの名前が出てくるのかと思っていたので、ちょっと意外でした。

「もちろん、彼らも僕のヒーローではありますけど、彼らに対してはファンみたいな感覚で、バスケットボールをがんばろうと思わせてくれたのは富樫選手です」

── 去年のワールドカップで日本が躍進した影響により、その後のBリーグには多くのファンが訪れるようになりました。その昨シーズンを振り返っていかがですか?

「悔しい結果(B1中地区6位)に終わってしまったんですけど、毎試合たくさんの方々に試合を見に来てもらえたことは、本当に幸せなことでした。

 Bリーグに入ってからコロナもありましたし、あれだけ多くの方に来てもらえることはなかったので、本当に幸せだと毎週思っていました。優勝から程遠い結果になってしまってすごく悔しい気持ちと、たくさんの方の前でバスケットボールをできた幸せ、その両方がありますね」

── Bリーグの盛り上がりを見て、あらためて日本代表が成功することの影響の大きさを感じました?

「そうですね。ワールドカップがあってBリーグを見た、僕のことを知った、という方もたくさんおられたので、世界大会はとても大きな影響を与えるものだと思いました。だからこそパリオリンピックでは、もっとバスケの熱が高まるような結果を残したいと思っています」

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