八村塁が加わることで「可能性は無限大に広がる」 バスケ日本代表元キャプテン篠山竜青が見た新生ホーバスジャパン (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【八村と渡邊だけに頼らない気持ちが大事】

── 今回の男子日本代表は「史上最強」と呼ばれています。

「それこそ、5年前くらいからずっと『史上最強』と言われていますよね(笑)。でも、『史上最強』を更新してくれるメンバーが揃ったんじゃないかと思います。

 もちろん、渡邊選手のケガ(左ふくらはぎの肉離れ)はクエスチョンマークなので、どこまで戻せるかによってチームに与える影響は変わってきます。バスケットは5人しかコートに入れないので、選手ひとりの持つ影響力はすごく大きい。それが渡邊選手となると、やっぱりめちゃくちゃインパクトは大きいですよね。

 有明(アリーナ/7月5日・7日の強化試合・韓国戦)のシリーズにも、もちろん渡邊選手は出たかったでしょう。八村選手もそう。NBAの『28日ルール(大会前の代表活動は28日間とする労使協定)』があるので、彼らが合流して時間のないなかでチームを作らなきゃいけない。

 それは世界各国も一緒ですけど、やっぱり強化試合で調整していくのが理想的。史上最強は間違いないですけど、核となるふたりが五輪直前のシリーズに参加できないのはすごく痛いんじゃないかと思います。トム(・ホーバスHC)さんも難しい選択を迫られているんじゃないかと。

 でも、八村選手も渡邊選手も頭のいい選手なので、対応するスピードは速いでしょう。今のメンバーもワールドカップを経てすごく自信を持っているので、彼らふたりに頼らずに『自分がやる』という気持ちをみんなが持てば、世界を驚かせる結果は出せると期待しています」

── 2019年のワールドカップ前は、八村選手も渡邊選手も早い段階から代表活動に参加していました。その後、2021年の東京オリンピックや2023年のワールドカップで経験を重ねて、いかに本番にピークを持ってくるかが大事ということを学んできたのではないでしょうか。

「はい、それはあると思います。日本代表にNBA選手がいる状況も特殊ではなくなってきたので、28日ルールで世界のスタンダードに合わせなければいけない状況は、すごくいいことじゃないかと思います。日本バスケットボール協会も含めてブラッシュアップされてきているので、そういうことも当たり前の感覚でやれているんじゃないでしょうか」

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