ジョシュ・ホーキンソンが日本で成功できた要因とは? 修士の学位を持つ勉強家の努力 (5ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

 だからこれまでは、そのリスペクトを得る必要があると思っていた。そして僕は、それを成し遂げるために少しずつステップアップを重ねてきた。その努力が実ったことは本当にうれしい。

 もし、22歳のルーキーの時にこの状況に置かれていたら、ベストなプレーはできていなかったはず。これまで経験を積み重ねてきて、徐々に成長をしてきたうえでこの場所にいられることは、とてもありがたく感じているよ」

── 今季のサンロッカーズはホーキンソン選手や田中大貴選手(SG/前・アルバルク東京)を補強し、アルバルク東京を2度のリーグ優勝に導いたルカ・パヴィチェヴィッチ氏をHCに据えました。しかし、開幕からケガ人の影響もあって苦戦が続いています。

「もう少しいい状況でスタートを切れたらよかったのだけど、僕らは前を向いている。ここから僕らのベストなバスケットボールを披露することができると思っているよ」

── シーズン後半戦でプレーオフ戦線に食い込むことも十分可能だと?

「そうだね。今年のサンロッカーズは新コーチを迎えているし、僕もワールドカップに出場したことで合流が遅れたので、チームが熟成されるのには時間がかかると思っていた。それにリーグでも最も身体能力の高い選手のひとりであるジェームズ・マイケル・マカドゥー(C/PF)も開幕からずっと欠いてしまっている。

 ルカHCはとても厳しく、細かい指示を行なうコーチだから、僕らのバスケットボールは一夜にしてできるようになるわけではない。開幕から2カ月ほどの時間があっても、まだまだ足りないんだ。だから僕らが望むレベルにたどり着くためには、日々努めていくしかない。

 今、僕らは苦戦を強いられてしまっているけど、開幕から強敵との対戦が続いたこともあったし、そのなかでいい勝負ができた試合も多かった。僕らが本領を発揮するのはここからだ」

<了>


【profile】
ジョシュ・ホーキンソン
1995年6月23日生まれ、アメリカ・ワシントン州シアトル出身。ワシントン州立大で中心選手として活躍し、卒業後にファイティングイーグルス名古屋に加入。その後、信州ブレイブウォリアーズを経て2023年からサンロッカーズ渋谷でプレーする。2023年2月に日本国籍を取得し、2月23日のイラン戦で代表デビュー。ワールドカップではインサイドの軸として欠かせぬ存在だった。ポジション=センター、パワーフォワード。身長208cm、体重106kg。

プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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