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日本男子バスケがW杯で結果を残せたのはなぜか 田臥勇太と比江島慎が挙げた「めぐり合わせやタイミング」の重要性 (3ページ目)

  • 三上太●取材・文 text by Mikami Futoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

【ベネズエラ戦の活躍の裏に田臥の励ましあり?】

――大会期間中、連絡は取り合っていましたか? 

田臥 試合が終わったあとは「お疲れさま」というメッセージを送ったりしましたが、それ以外はないですね。大会期間中より、合宿から帰ってきたり、強化試合のあとのほうが、そこでの感触を聞いたりしていました。プレーを見れば、今のチームの状況でどのようにプレーしているか、きっとこういうマインドでやっているんだろうなというのはわかるので、戻ってきた時にマコのペースを尊重しながら、ちょっと感覚を聞いたりしていましたね。

比江島 やはり自信がないわけです......いや、自分のプレーには自信があるし、世界には絶対僕が必要だってわかっているんですけど、アジアの国々を相手にした強化試合のあとは田臥さんに「ヤバいです。僕、落ちるかもしれないです」とか言うわけですよ。

田臥 言うわけですよ、じゃないよ(笑)

比江島 「ヤバい。ちょっと落ちるっすわ」って言うと、田臥さんは「絶対大丈夫。絶対大丈夫」って言ってくれるので、「あ、大丈夫だ」と思えるんです。いつも慰めてもらって、背中を押してもらうので、いつも感謝しています。

――ベネズエラ戦の活躍のうち何割かは田臥選手の力が大きいですね。

比江島 本当にそうです。

田臥 そんなことはない。それはマコの積み重ねだよ。

後編「田臥勇太&比江島慎はW杯での若手の活躍をどう感じたか」>>

Profile
田臥勇太(たぶせ ゆうた)
1980年10月5日生まれ。神奈川県出身。ポジションPG(ポイントガード)。
バスケの名門・能代工(現・能代科学技術高校)時代には史上初の「9冠」を達成。その後も第一線で活躍を続け、2004年にはフェニックス・サンズと契約し、日本人初となるNBAのコートに立った。2008年に日本に復帰をするとリンク栃木ブレックスと契約。移籍をすることなく現在も宇都宮ブレックスで、精神的支柱としてチームを支えている。

比江島慎(ひえじま まこと)
1990年8月11日生まれ。福岡県出身。ポジションSG(シューティングガード)。
青山学院大卒業後、アイシンシーホース三河に入団し、2019年からは宇都宮ブレックスでプレーしている。日本代表としては、青学大4年の時に初選出。2016年のオリンピック予選や2019年W杯、2021年に開催された東京オリンピックにも出場し、今年のW杯では最年長として、プレーでチームを牽引した。

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