渡邊雄太、ラプターズ2季目は右肩上がり。「役割からはみ出るプレー」も躊躇なくチョイス (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

【努力がやっと実を結んだ】

 そんな渡邊の背中を押すように「そこはシュートだ」「思い切り攻めろ」と声をかけてくれるのが、ナースHCであり、チーム・リーダーのSGフレッド・ヴァンブリートだった。

 ナースHCやヴァンブリートは渡邊にだけでなく、たとえばドラフト全体4位指名でチームに入ったばかりの20歳のルーキーSFスコッティ・バーンズに対しても同じだ。

 ベテランに遠慮することなく思いきり力を発揮できるような雰囲気を作り出し、励ましの声をかけ、時にもっと上を目指すようにチャレンジを促している。バーンズのような20歳のルーキーでも、渡邊のようなドラフト外の控え選手でも、ベテランやオールスター選手たちに遠慮せずにそれぞれの持ち味を発揮できるような環境が、ラプターズにはあるのだ。

 そのことについて聞くと、渡邊はこう語った。

「それは本当に、フレッド(ヴァンブリート)のリーダーシップがすごく大きい。彼がそうやって周りに言うことによって、自分たちも思い切ってプレーすることができますし、お互いがお互いを信頼しているからこそ、そういう声のかけ合いっていうのができると思う。

 スコッティ(バーンズ)は本当にすばらしいプレーヤーだと思いますし、彼がアグレッシブに行けば行くほど、自分たちはいいプレーができていると思います。僕もベンチから出てチームにエネルギーを与えるだけじゃなくて、得点の面でも今シーズンはしっかり貢献していかないといけないなと思っているんで。そういう意味ではリーダーのフレッドであったり、そういう選手が声をかけてくれるっていうのは、本当にすごくありがたいですね」

 そんな恵まれた環境のなかで、渡邊はNBA選手としての自信を強めている。そして、自信がさらにいいプレーをする支えにもなっている。

「自信は大きくなっています。見ていてもわかるはずです。オープンで打てる時は、いつも躊躇せずにシュートを打っています。まだ確率は上げなくてはいけないですけれど、この先決まってくると思っていますし、だからこそシュートを打ち続け、自信を持ってプレーし続けなくてはいけないと思っています」

 その自信はどこから来ているのだろうか。そう聞かれると、渡邊はきっぱりと言った。

「何年もわたって努力してきたことが、やっと結果につながっているのだと思います。今年の夏やプレシーズンの練習だけの話ではなく、何年もの間、練習してきました。それがやっと実を結んだのだと思います。これからもハードワークを続け、自信を持ってプレーし続けなくてはいけないと思っています」

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