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トレード期限ギリギリまで駆け引き。
NBA各チームに例年以上の動き (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 そして今回のトレード・デッドラインを経て、来季もっとも飛躍する可能性が高くなったのが、長年低迷を続けるイースタン最下位のニューヨーク・ニックスだろう。

 まずは、フランチャイズ唯一の希望の星だったクリスタプス・ポルジンギス(PF)をダラス・マーベリックス(ウェスタン11位)に放出。さらに、ティム・ハーダウェイ・ジュニア(SG)やコートニー・リー(SG)といった高額年俸選手も一緒に放出できたことで、サラリーキャップに大きな余裕ができた。

 今オフにFAとなる選手は、ケビン・デュラント(ゴールデンステート・ウォリアーズ/SF)、クレイ・トンプソン(ウォリアーズ/SG)、デマーカス・カズンズ(ウォリアーズ/C)、カワイ・レナード(ラプターズ/SF)、カイリー・アービング(セルティックス/PG)、ジミー・バトラー(SG)と、例年以上に豪華だ。ニックスは今回のトレードによって、大物FAをふたり同時に獲得できるキャップスペースを確保している。

 また、現在のニックスはリーグ最低勝率のため、このままシーズンを終えればドラフト全体1位指名権を獲得できる可能性が高い。今年のドラフトは、「レブロン2世」との呼び声の高いザイオン・ウィリアムソン(デューク大1年/F)の1位指名が有力視されている。ニックスが思い描く最高のストーリーが現実すれば、来季はデュラントとザイオンがスターターに名を連ねる魅惑のラインナップが完成する。

 カンファレンスを制覇できれば、それがエースとの再契約に好影響をもたらすだろう。だが、逆に中途半端な成績に終われば、エースは離脱してチーム崩壊の危機に落ちかねない。勝つか負けるかで、未来は大きく変わる。シーズン前半戦よりもハイレベルなイースタン上位陣の熱戦は必至だ。

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