渡邊雄太に元NBA選手がアドバイス。「昔の自分によく似ている」 (2ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

── 今シーズン、ここまで渡邊選手を見てきて、どんな印象を持っていますか?

「彼はとても賢い選手で、判断力に優れている。ディフェンスがとてもいい。他の新人選手より少し年が上なこともあって──ほとんどの選手は19、20歳ぐらいでリーグに入ってくるからね──彼はより成熟しているし、それは見ていればわかる。

 正しいプレーの仕方をよく知っているし、チームとして彼のことは評価している。コート上での経験をもう少し積む必要があるけれど、時間が経てばすばらしい選手になるだろう」

── 長身で手足が長く、ディフェンスに強いということで、あなたと比べる人もいますが、ご自身も似ているところがあると思いますか?

「僕らは身長が同じで、どちらも体格が細いので、似ているところがあると思う。それだけでなく、賢いプレーをするという面も同じだね。とくにディフェンス面。彼は華やかなプレーをするタイプではないけれど、チームが試合に勝つために貢献する選手だ。それは、試合を本当に理解している人にならわかる。

 僕も選手のころはそういうタイプのことをやっていたから、彼のプレーを見たらわかるし、僕自身を見ている気にもなる。とても練習熱心な努力家で、私たちが求めることはすべてやっている。このまま成長し続けることを願っているよ。彼にとって一番重要なことは、Gリーグの試合で成長し続け、その経験を積み重ねること。そうすれば、NBAで試合に出るようになったときに、その成果が出てくる」

── あなたも体格が細いということで、周囲から「NBAでどれだけできるのか?」と疑問視されたことがありますか?

「そうだね。それがNBAドラフトで順位が落ちた理由のひとつだったかもしれないと思っている。多くの人は僕の総合的なスキルは評価してくれていたけれど、一方で、十分な力強さがあるか疑っていた。

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