スラムダンク奨学生・猪狩渉
「小さくてもできることを証明したい」 (5ページ目)
「果てしない道のりだと思います。でも、決して無理なわけでもないと、自分は思うんです。八村(塁/はちむら・るい/前・明成高校)くんや渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大学)さんのように、大きくて動ける日本人は限られている。でも、日本には僕みたいに身長の小さい選手や、ベンチメンバー、試合に出られない選手たちが大勢いる。彼らの道標というか、小さくてもできるっていう勇気を与えられるような選手になりたいと思って頑張っています」
昨年から、その年の目標とする漢字を選ぶようになった。昨年は「挑」だったが、今年は「欲」。
「去年は何も失うものはないという気持ちで『挑』を選び、とにかくチャレンジしてきた。今年はもっと、いろんなことに『欲』を出していきたいんです。ある程度、英語もできるようになってきて、バスケットも通用する部分が見えてきて。だけど、そこで満足したら終わりと思っています。もっともっと、欲を出して、いろんなことに積極的にやっていきたい。そういう意味をこめて、今年の漢字は、『欲』です」
渡邊雄太、八村塁、角野亮伍(すみの・りょうご/セント・トーマス・モア・スクール)、テーブス海(ブライトン・アカデミー)、田渡凌(たわたり・りょう/ドミニカン大学)――。アメリカで挑戦する同年代の日本人選手のことは、常に気になっている。だが、ライバルというより、むしろ「同志」だという。
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