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【NBA】ドワイト・ハワード擁する新生ロケッツは危険大! (2ページ目)

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi 是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo, AFLO

若いロケッツの潜在能力に佐古氏は大きな期待を寄せている若いロケッツの潜在能力に佐古氏は大きな期待を寄せている 一方、ロケッツのオフェンス面でカギを握っているのは、昨シーズン加入したジェームス・ハーデンです。あいかわらずミスは多いのですが、アタックする回数が昨シーズンより増えているので、得点力はアップしています。なにより、「自分がオフェンスのファーストオプションだ」という意識が、ハーデン自身の攻撃力を開花させたのではないでしょうか。オクラホマシティ・サンダーにいたときより、スコアラーとしての存在感が大きくなったと思いますね。

 個人的にも、ロケッツのようなオフェンスは大好きです。ノーガードで打ち合い、コート上を行ったり来たりする早いゲーム展開は、見ていて面白いじゃないですか。しかも今シーズンのロケッツは、ハワードがリバウンドでボールを奪ってくれるので、多少シュートを失敗しても、オフェンス回数を増やして得点を量産すればいいという雰囲気があります。もちろん、ミスの多さは今後の課題でしょうが、得点を取られても、わずか2~3秒で奪い返すロケッツのゲームは魅力的ですね。相手にセカンドチャンスを与えず、ターンオーバーで得点を積み重ねるスタイルが確立すれば、今シーズンのロケッツは非常に怖い存在になるのではないでしょうか。

 また、今シーズンのロケッツが変わったと感じる点は、トップスコアラーのハーデンだけでなく、チャンドラー・パーソンズやジェレミー・リンといった周囲の選手も、コンスタントに1試合20点オーバーを残すようになったことです。このように、チーム全員で得点チャンスを分け合うようなスタイルは、昨シーズンはなかったと思います。これも、リバウンドを安心してまかせられる「ハワード効果」のひとつでしょう。

 特に注目は、ジェレミー・リンです。昨シーズンはメインポイントガードとしての重圧に苦しみ、本来の得点力がまったく生かされていませんでした。しかし今シーズンは、「自分はシックスマンなんだ」という一種の開き直りが良い方向に向いたのか、ボールを持ったら躊躇(ちゅうちょ)せずにシュートを狙っています。ポイントガードとしてフロアバランスを考えるあまり、周囲を生かそうとするプレイで自滅していた昨シーズンとは、雲泥の違いです。スコアラーとしての立ち位置がしっかり固定したので、3ポイントシュートを打つときもまったく迷いがなくなりました。今、リンは非常に良いコンディションだと思いますよ。かつての爆発力が完全に蘇(よみがえ)れば、ロケッツのオフェンスはリーグ屈指の脅威となりそうです。

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