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【F1】角田裕毅「頭がカッカした」衝突が致命傷となる可能性 決勝の53周のデータが失われた損害は大きい

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 第16戦イタリアGP決勝を「たったの7周」で終えた角田裕毅(RB)は、苛立ちを隠そうともしなかった。

「何秒加算かわかりませんけど、いずれにしても(危険なドライビングに対する)ペナルティポイントが科されるべきだと思います。僕らはハースとランキング争いをしているので。今はまだ頭がカッカしているので、そういうことを話すべきではないと思いますけど」

 ターン1で強引にインに飛び込んできたハースのニコ・ヒュルケンベルグに激しく衝突され、フロアやサイドポッドは大きなダメージを負ってしまい、それ以上の走行は不可能だった。

角田裕毅のイタリアGPはたった7周で終えることになった photo by BOOZY角田裕毅のイタリアGPはたった7周で終えることになった photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る チームCEOのピーター・バイエルは、次のように説明する。

「本当に不必要なクラッシュでフロアが壊れて、リタイアを余儀なくされてしまった。完全に壊れてバラバラになってしまっていたよ。まったくもって、走り続けることは不可能だった。裕毅にとっては最初から最後までひどいレース週末になってしまった」

 この週末、角田のマシンには新型フロアが搭載されていた。

 第10戦スペインGPで投入するも失敗に終わったフロアから学び、対策を施したアップデートだ。データ上の数値もシミュレーターでの感触もよく、角田はこの新型フロアに大きな期待を寄せていた。

 しかし、マシンはFP1から挙動が極めてナーバスで、回頭性は高いものの敏感すぎるうえに、マシンバランスも従来とは大きく変わってしまった。

「正直に言って、今週末に向けてはこのアップグレードがあったので期待値も高かった。それが機能してくれなかったので......。週末を通してずっと、課題点を改善しようと努力し続けたものの、うまくいかなくてスライドしてばかりでした。僕がうまく対処できなかっただけかもしれませんけど、これ以上、速く走ることはできませんでした」

 予選でまさかの16位Q1敗退となり、角田のフラストレーションは爆発してしまった。

「(フロアが)機能していない、ものすごくドライブしづらいんだ。こんなの本当に馬鹿げているよ」

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著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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