角田裕毅ファステストラップを狙った1周かぎりのチャンス「心臓が止まるかと」 (3ページ目)
【ランキングを上げられる可能性も見えてきた】
完璧な仕事をこなし、自分たちの可能なかぎりのポジションにマシンを運んだからこそのコメントだ。
「正直に言ってラクなレースではありませんでしたし、アストンマーティンの1台がリタイアしたという幸運のおかげで、入賞できたこともたしかです。何もなければポイント獲得は難しかったと思います。
でも、あそこにいたから(他車のリタイアによる)ポイント獲得のチャンスを掴むことができたわけですからね。自分たちのパフォーマンスを最大限に引き出すことができたと思います」
フェルスタッペンは今季18レースで15勝 photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る 現状、上位5チームによって入賞圏10台は占められてしまう。場合によっては6チーム12台だ。彼らに何かが起こらなければ、中団勢に入賞のチャンスはない。
それでも中団トップというポジションにいなければ、上位勢に何かが起きた時に転がり込んでくるチャンスを掴むことはできない。今回の角田とアルファタウリは、それができたからこそ、上位6チームのうち3台がリタイアして空いた10位のポジションを掴み獲ることができ、さらに上位2台が失格になるという幸運で8位まで浮上することができた。
これによってコンストラクターズランキング9位のハースとは2点差、8位のアルファロメオとは6点差に迫ることができた。マシンのアップデートも進み、チームもその性能をフルに結果につなげられるようになり、残り4戦でランキングを上げられる可能性も十分に見えてきた。
オースティンで掴み獲った光明を手に、ここからラストスパートだ。その準備はできている。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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