スーパーGTで見事な新旧対決。ホンダ絶対エースはトヨタ次世代エースの度量を称えた (3ページ目)
「もてぎはやっぱり抜きづらいですし、タイヤ特性が大きく影響しました。(1号車が履く)ブリヂストンの強みと(19号車の)ヨコハマの弱みが出てしまって、ヨコハマの強みが薄れている状態でのバトルになってしまいました。GT300との混走で相手が引っかかっている状態なら勝負できるんですけど、2台だけの勝負で追い抜くのは難しい状況でした」(宮田)
結果、約30周にわたって繰り広げられたトップ争いは、山本が最後まで逃げ切って終幕。1号車が待望の今季初優勝を飾った。栃木県出身の山本は参戦12年目にして初めて地元優勝を達成し、マシンを降りると笑顔で何度もガッツポーズを繰り返した。
レース後、山本は最後まで食らいついてきた宮田の走りを称えた。
「若いからこそ結果を求めて、ガムシャラにトップを狙って走りたくなる年齢だと思います。だけど、相手にぶつけることなくフェアに戦い、あのポジションを持ち帰ってきた彼のセンスは目を見張るものがありました。彼が勝つ日はすぐ来るだろうな、と思いましたね」
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王者に果敢に挑んでいきながら、一歩及ばず2位となった宮田はマシンを降りたあと、悔し涙を流したという。しかし、表彰式を終えた頃には、すでに"次"を見据えていた。
「本当に悔しいです。でも、やり切った成績です。ずっとトップ争いをしたいと思っても、それができないシーズンが続いていましたが、今年に入ってくうまくいくようになって、富士でポールポジションが獲れ、今回も最後まで攻めて2位で終えることができました。
スーパーGTのなかで、ブリヂストンとミシュランに勝つのは本当に大変なことです。でも、努力を怠ってはいけない。やり続ければ、最強と言われているライバルに勝てる時が絶対くると信じています」
ホンダを牽引するベテランのエースとトヨタの次世代を担う若きエースの対決は、山本に軍配が上がった。だが、宮田も勝利に値するパフォーマンスを披露した。ふたりが再び対決するシーンを、ぜひとも見てみたい。
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