ラジオNIKKEI賞は直近15年で14勝の「サンデーサイレンス系」から2頭を厳選 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by 山根英一/アフロ

 エルトンバローズのこれまでの走りを振り返ってみよう。初勝利は5戦目と時間がかかったが、デビュー4戦までで2着が3回と安定。その2着3回の勝ち馬を見ると、新馬戦がGⅢ毎日杯4着のドクタードリトル、2戦目がGⅡ京都新聞杯を勝ったサトノグランツ、4戦目がGⅡフローラS2着のソーダズリングと、強い相手とぶつかる不運があった。

 その後、芝1600m戦で2連勝してここに臨む。前走は2番手追走から直線半ばで余裕たっぷりに先頭に立ち、ゴール前では2着以下に2馬身差をつける完勝だった。同レース2着のシルヴァーデュークは、GⅢサウジアラビアロイヤルC3着、GⅡデイリー杯2歳S4着など、重賞でも差のない競馬を続けていた実力馬。エルトンバローズは今回が重賞レース初出走となるが、すでに重賞級の実力を証明していると言っていいだろう。

 1600m戦で2連勝中、成績を見ても距離短縮で実力を発揮するとも見えるが、前述のように強敵相手に敗れた新馬戦、未勝利戦はすべて1800mで、この距離では2着3回の連対率100%となっている。ディープブリランテ産駒はセダブリランテスのほかに、GⅡ日経新春杯(芝2400m)のモズベッロを出していて、芝中長距離にも実績を残しているだけにこの距離は問題ないだろう。

 もう1頭はマイネルモーント(牡3歳、美浦・高木登厩舎)を推す。この馬もサンデーサイレンス系で、父はゴールドシップ(その父ステイゴールド)。このレースはディープインパクト系も好成績だが、ステイゴールド系も相性がよく、2013年には直仔のケイアイチョウサン、2020年にはナカヤマフェスタ産駒のバビットが勝利している。

 ゴールドシップ産駒は福島競馬場での成績が非常によく、これまで227戦30勝と、全競馬場の最多勝。勝率13.2%は小倉の9.3%(193戦18勝)を大幅に引き離す素晴らしい数字だ。芝の25勝のうち、1800mは11勝と最多。この福島・芝1800mは全競馬場で最も好成績を残しているコースなのだ。

 マイネルモーントはここまで4戦2勝、2着2回と安定した成績。約5カ月ぶりだった前走の1勝クラス(東京・芝1800m)では1分45秒5の好タイムで快勝している。母ゲッカコウはGⅢフラワーC(芝1800m)で2着に入った実力馬でもあり、血統的な裏づけも十分だ。本命馬と同じく期待をかけたい。

 以上、今年のラジオNIKKEI賞は、ディープブリランテ産駒エルトンバローズ、ゴールドシップ産駒マイネルモーントの2頭に期待する。


2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る