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『ウマ娘』でも描かれた伝説の数々...芦毛の怪物オグリキャップが最後に見せた奇跡の激走

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

蘇る名馬の真髄
連載第2回:オグリキャップ

かつて日本の競馬界を席巻した競走馬をモチーフとした育成シミュレーションゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)。2021年のリリースと前後して、アニメ化や漫画連載もされるなど爆発的な人気を誇っている。ここでは、そんな『ウマ娘』によって再び脚光を浴びている、往年の名馬たちをピックアップ。その活躍ぶりをあらためて紹介していきたい。第2回は、昭和の終わりから平成にかけて一世を風靡したアイドルホース、オグリキャップだ。

引退レースの有馬記念で奇跡の復活劇を見せたオグリキャップ photo by Kyodo News引退レースの有馬記念で奇跡の復活劇を見せたオグリキャップ photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る 2018年のアニメ第1期放送に始まり、現在も高い人気を誇る『ウマ娘』。2025年4月からは、アニメ新シリーズ『ウマ娘 シンデレラグレイ』が放映されている。この物語の主人公となるのが、オグリキャップだ。

 ウマ娘のオグリキャップは、地元の"カサマツトレセン学園"で連戦連勝を飾り、中央のトレセン学園へとやってくる。その後も強豪たちをなぎ倒し、全国のファンを魅了する"怪物"となっていく。アニメではそんなストーリーが描かれている。

 この物語は、1980年代終わりから活躍した競走馬・オグリキャップの足跡にもとづいている。ちなみに、ウマ娘のオグリキャップは「大食いキャラ」として描かれているが、これも実際の"モデル馬"を参考にした設定だ。

 競走馬のオグリキャップは、地方競馬の笠松競馬でデビューし、連勝を重ねたあと、中央に移籍。舞台が変わっても勢いは衰えず、重賞6連勝という快進撃を見せた。地方・笠松からやってきた芦毛馬の強さに、いつしかファンは「怪物」と呼ぶようになる。

 1988年、4歳(現3歳。※2001年度から国際化の一環として、数え年から満年齢に変更。以下同)の暮れにはGI有馬記念(中山・芝2500m)を快勝して、初のGⅠタイトルを獲得。以降、数々の伝説を作り上げていった。とりわけ、5歳秋のGⅠマイルCS(京都・芝1600m)をハナ差の激戦で制したあと、連闘で挑んだGⅠジャパンC(東京・芝2400m)で見せた激闘は、今も語り草となっている。

 ジャパンCでは、ニュージーランドの強豪ホーリックスとマッチレースを繰り広げた。結果はクビ差の2着だったが、そのときのタイム、2分22秒2は当時の世界レコード。連闘という過酷な条件にもかかわらず、驚異的な走りを見せた怪物に、ファンはますます魅了されていく。

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