ギニア戦で痛感。サッカー五輪代表「ポリバレントな選手」がいない

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Watanabe Koji

 例えばワールドカップ(W杯)など、最近の主な国際大会は、1チームの登録メンバーを「23名」と規定している。ユーロやコパ・アメリカ、アジアカップにしても同様だ。

 ところが、五輪に関してはこれが「18名」。最大17日間で6試合、少なくとも7日間で3試合は戦わなければならないことを考えると、かなり少ない人数である。

 通常の国際大会の場合、登録メンバー23名の内訳は、GK3名とフィールドプレーヤー20名。フィールドプレーヤーは各ポジションに2名ずつ、が基本となる。もちろん、監督によってFWを厚くしたり、MFを厚くしたりというさじ加減の調節はありうるが、フィールドプレーヤー20名は10個のポジションのレギュラー選手と控え選手で構成するというのが、一般的な考え方だ。

 だが、登録メンバー18名となると、そうはいかない。18名からレギュラー選手11名を除くと、あとは7名。控えGKは必ず入れる必要があるから、残る6名で10個のポジションをカバーしなければならなくなる。

 そこで重要となるのが、複数のポジションをこなせる「ポリバレントな選手」の存在である。

 多くの選手が複数のポジションをこなせれば、それだけカバーできるポジションが増え、大会中にケガをする選手や、累積警告で出場停止になる選手が出ても、穴を開けることなく戦い続けることができるからだ。

 間違いなく全6試合を戦い抜ける、タフでフェアな11名を揃えている特別なチームでもない限り、五輪本大会を勝ち上がろうと思えば、ポリバレントな選手をできるだけ多く揃えておく必要がある。

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