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【箱根駅伝予選会】21年ぶり参加の東洋大は盤石か 明治大、法政大らが挑む激戦の「10位」争い

  • 佐藤俊●取材・文 text by Shun Sato

箱根駅伝予選会の注目校 後編

 10月17日開催の第103回箱根駅伝予選会の注目校を紹介する。この後編では、21年ぶりに予選会へ回った東洋大の戦力を分析するとともに、明治大、法政大、専修大、日体大、東京国際大、立教大などがひしめく7~10位争いを展望。各校のエースや中間層、集団走の戦略から、激戦のボーダーを突破する条件を読み解く。

前編を読む>>>【箱根駅伝予選会】トップ通過を狙う有力校 大東文化大、東海大、山梨学院大らの戦力と勝負のカギ

シードが途切れ、21年ぶりの予選会参加となる東洋大。エースの松井海斗(3年) photo by Afloシードが途切れ、21年ぶりの予選会参加となる東洋大。エースの松井海斗(3年) photo by Aflo

【東洋大は選手層の厚さで突破を狙う】

 21年ぶりに箱根駅伝予選会へ臨む東洋大だが、選手層を見れば、10位以内での通過はそれほど難しいミッションではない。

 前回の箱根駅伝は14位に終わったが、エースの松井海斗(3年)をはじめ、経験者が7名残っている。今季の全日本大学駅伝予選会(以下、全日本予選会)は、2組1位の松井、同組8位の内堀勇(3年)、4組15位ながら28分53秒82の自己ベストを出した宮崎優(3年)、18位の迎暖人(3年)ら3年生の活躍により5位で通過した。宮崎は士別ハーフで1時間02分22秒の自己ベストで優勝し、松井とともに主力に成長した。

 ハーフの持ちタイムは、1時間01~02分台の選手が7名、1時間03分台が3名。上位10人の10000m平均タイムは29分05秒94で6位だ。記録会などで選手を見る機会が少なく、どこまで調整できているかはわからないが、タイムが示す選手の質は非常に高い。東洋大は21年ぶり、酒井俊幸監督にとっては初めての予選会となるが、経験の少なさをことさら不安視する必要はないだろう。選手それぞれが予選会を特別に意識しすぎず、ハーフを淡々と走れば、結果はおのずとついてくる。

 前編で紹介した5校に、この東洋大を加えた6校が予選通過の有力候補となる。一方、7位から10位を争う各校の実力は拮抗しており、激戦が予想される。そのなかで一歩抜け出しそうなのが明治大だ。

 前回の予選会は12位に終わり、2年連続で本戦出場を逃した。大志田秀次監督を迎えた昨季は、緩んでいたチームの規律を立て直し、選手の意識を競技に向けることに時間を費やした。就任2年目の今季は生活環境が整い、選手の意識も箱根を見据えたものへと変化した。チームは走り込みを重視した練習へとシフトしている。

 全日本予選会は10位で通過を逃したが、収穫もあった。1組7位と好走したルーキーの大江秀弥と、4組16位の阿部宥人(2年)だ。阿部がこのときマークした29分03秒13は自己ベストで、今回の予選会メンバーの中では、10000mで持ちタイムが3番目にあたる。ハーフでも1時間02分14秒と、主将でエースの大湊柊翔(4年)に次ぐタイムを持ち、今やエース格に成長した。ただし、他大学のエースと比べると、ひとりで大きくタイムを稼ぐタイプではない。集団走で組織的にタイムをまとめる戦略が求められる。

 気になるのが、主力のひとりである綾一輝(4年)の状態だ。1年時に箱根で快走して以来、故障に悩まされ、2年、3年時は予選会にも出場できず、4年の今季も全日本予選会に出走していない。綾が戻れば、チームに核がもうひとつできることになり、有利に戦える。上位10人の10000m平均タイムは29分19秒48で、全体12位。トラックの持ちタイムでは上位校に及ばないが、走り込みを重ねた成果をロードで発揮できれば、目標とする5位通過も視野に入る。大志田監督は「昨年以上の手応えがあり、少しでも上を目指したい」と意欲的だ。

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著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

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