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【箱根駅伝予選会】21年ぶり参加の東洋大は盤石か 明治大、法政大らが挑む激戦の「10位」争い (3ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Shun Sato

【連続出場を懸ける日体大、エース擁する東京国際大】

 日体大は、前回の箱根予選会を9位で通過した。本戦は15位に終わり、主力だった平島龍斗(安川電機)、田島駿介(愛知製鋼)、山崎丞(花王)、浦上和樹(YKK)が卒業した。今季は大幅な戦力ダウンを余儀なくされている。全日本予選会は11位で、通過には遠く及ばず、力負けした。チームに絶対的なエースはおらず、10000mの28分台は佐藤大和(3年)と夏見虹郎(2年)の2名のみ。上位10人の10000m平均タイムは29分12秒65で8位だ。戦略としては佐藤と夏見がフリーで走り、他の選手は昨年同様、集団走でロスを最小限に抑えることになるだろう。これまで78回連続で箱根駅伝に出場しているが、その記録を79回に伸ばせるか。今季の箱根予選会は、日体大にとって大一番になりそうだ。

 東京国際大は、前回の箱根駅伝で16位と低迷し、シード権を失った。今季の全日本予選会は12位に終わり、好走したのは4組1位のリチャード・エティーリ(4年)と同組12位の小柴裕士郎(3年)のみだった。ただ、このふたりが非常に強い。エースのエティーリは今回の予選会でもトップを争うだろう。エティーリが先頭争いで大きくタイムを稼ぎ、小柴と主将の久保遼人(4年)が上位に続き、政仁斗(3年)、佐藤柊輔(2年)ら中間層がどこまで粘れるか。「厳しい戦いになりますが、生き残っていきたい」と中村勇太監督代行は語る。上位10人の10000m平均タイムは29分17秒26で全体11位。10人が大きく崩れずに走りきれば、箱根路が見えてくるだろう。

 東京農業大は、前回の予選会を6位で通過したが、本戦では18位に終わった。箱根経験者が5名残り、エース前田和摩(4年)も健在だが、今季の全日本予選会で目立ったのは4組7位の前田だけだった。チームは18位に低迷し、トラックシーズンでも、チーム全体として目立った結果は残せなかった。「最後は箱根駅伝に出て、後輩たちに箱根の経験を残していきたい」と前田は語る。上位10人の10000m平均タイムは29分28秒29で全体15位。ただし、ハーフのタイム自体は悪くない。10人目の選手が1時間04分台でゴールできれば、突破の可能性は一段と高まる。

 立教大もボーダーライン上にいる。前回の予選会では、途中経過の時点で髙林祐介監督は「かなり難しいと思った」という。それでも10位で通過し、選手たちはうれし涙を流した。しかし本戦は20位に終わり、力を発揮できなかった。今季の全日本予選会も15位。箱根予選会を前に、厳しい状況に置かれている。

 今季のチームには、昨年の大エース馬場賢人(ヤクルト)やエース格の國安広人のような選手がいない。主将の原田颯大(4年)はハーフ1時間01分39秒、木島陸(4年)、西澤匡哉(2年)は1時間02分台のタイムを持つが、他大学のエースとは少し差がある。一方で、突出したエースはいないものの、中間層を含めた総合力には手応えがある。上位10人の10000m平均タイムは29分16秒58で全体10位と、ぎりぎりのラインにいる。

 前回の予選会は馬場抜きで10位になったが、髙林監督は「今年は、昨年よりも全体のチーム力は上になっている」と自信を持つ。集団走はせず、フリーで走らせ、それぞれの持ち味を発揮する戦略で臨む予定だ。果たして5年連続での箱根駅伝出場を実現できるか。

 さらに、日本薬科大、拓殖大、国士館大、芝浦工大、駿河台大あたりも争いに絡んできそうだ。ボーダーライン上の大学にとっては、15㎞以降の勝負をどうマネジメントするかがカギになる。数秒単位で順位が入れ替わる厳しいレースになるだろう。

著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

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