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本田真凜、アイスダンサーとしての第一歩 ふたりで分かち合う「人生ではなかなか巡り会えない瞬間」

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya
  • 能登 直●撮影 photo by Sunao Noto(a presto)

フリーダンスでは『四季』を披露した本田真凜と宇野昌磨 photo by Sunao Noto(a presto)この記事に関連する写真を見る

 11月1日、前橋。東日本フィギュアスケート選手権大会兼全日本フィギュアスケート選手権大会アイスダンス予選会では、アイスダンスのカップルが7組もエントリーした。ジュニアも3組が出場し、まさに"アイスダンス時代の到来"の感があった。フィギュア界では、かつてないほどの群雄割拠だ。

 ミラノ五輪でフィギュア団体の銀メダルに貢献した"うたまさ"(吉田唄菜/森田真沙也)は現時点で第一人者だろう。また、かつてシングルで全日本女王など世界的な活躍をした紀平梨花と2018年からアイスダンスを始めた西山真瑚の"りかしん"も有望。そして櫛田育良、島田高志郎の"いくこう"は海外勢に匹敵するリーチで、世界観を作るスケール感はピカイチだ。

 アイスダンスが俄かに注目を浴びるようになった理由は2020年、男子シングルでフィギュア人気の礎を作った高橋大輔がアイスダンスに転向したことが大きいだろう。もともとアイスダンス第一人者だった村元哉中とのカップルは、抜群の人気を博した。カップルを結成してわずか3年で全日本王者に輝き、世界選手権ではトップ10に肉迫。何よりアイスダンスの人気向上に貢献し、道を切り拓いた。

 そして本田真凜、宇野昌磨の"しょまりん"が、沸き立つアイスダンス界に飛び込んでいる。シングル時代に世界王者になるなど数々の栄光に浴した宇野が、本田という大輪の花を開花させられるか。デビュー戦はリズムダンス、フリーダンスを戦って7組中4位だったが、点数以上に"期待感"が膨れ上がり、未曾有の熱気を生んでいた。

 デビュー戦後、本田が抱いた感慨とは―――。

 フリーダンス後、取材エリアで大勢の報道陣を前に立った本田は、とても落ち着いて見えた。誰よりも宇野の理解者としてフォローし、一方で隣に宇野がいる心強さも垣間見せていた。

「今日(フリー)のほうが(リズムダンスより)落ち着いて、練習のような感覚で最後のポーズまで終えられました」

 本田はよく通る声で言った。

「細かい修正点はたくさんありますけど、練習してきたことを出せたと思います。レベルは何が取れているのか、取れていないのか、そういうのも試合を通してわかりました。試合では練習でしないようなミスもあって......レベルを取るのを意識しすぎて、"少しでも点数を稼いでいく"となると細かいミスが出るんだなと。それも試合に出ないとわからないのでよかったです」

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

東日本選手権大会・アイスダンス予選会 フォトギャラリー

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