町田樹のフィギュアスケート解説が異彩を放つ理由 引退後に研究者となった「プロフェッサー」の膨大な仕事量
連載:NEXT STAGE~トップアスリートのセカンドキャリア
町田樹(フィギュアスケート)インタビュー@前編
今年2月に行なわれたミラノ・コルティナ冬季オリンピック。現地で観戦できる人は、ほんのひと握り。日本人の多くはそこで生まれたドラマの数々を、テレビやネットの画面を通して目にしただろう。
テレビ中継の際、競技を何倍も面白くするのが、解説者の存在だ。フィギュアスケートでは、町田樹さんの解説が異彩を放っていた。さまざまな大会で解説者として活躍している町田さんだが、オリンピックの舞台はミラノ・コルティナが初めて。
町田樹さんは現在、國學院大學で准教授を務めている photo by Miki Sano ハイテンションで場を盛り上げるタイプではないが、その解説は確実に熱く、選手たちへの温かな目線とリスペクトに満ちていて、詳しいけれどわかりやすい。フィギュアスケートに明るくない人から、詳しい古参ファンまでを満足させる、ありがたいものだった。
博識で、知的で、フィギュアファンからは「プロフェッサー」などとも呼ばれる町田さんの解説は、どのようにして出来上がるのか。解説者であると同時に、研究者であり、國學院大學で教鞭を執る教育者でもある町田さんは、どのように選手から研究者へキャリア転換したのか。その2大テーマを抱え、町田さんのもとに向かった。
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── 今年2月に自身初となるオリンピックでの解説を務められ、大きな話題になりました。選手時代と比べて、オリンピックの様子は違った見え方をしましたか?
「今回初めて裏方として発信する側に回って思ったことは、メディアセンターに各国の記者やカメラマン、テレビの方々がものすごく大勢いて、こうやって世界に発信していただいていたんだなと。しかも皆、それぞれの仕事に対する熱量もすごい。これだけ多くの人たちに支えられて我々は競技をしていたんだと、よくわかりました。選手は選手村に入ったら、基本的には競技会場との行き来で終わります。外部との接点があまりなく、自分の世界だけで競技をしていたものですから。
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著者プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

