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ブラジル代表がサッカー日本代表との再戦を重要視する理由 目指すのは単なる世代交代ではない

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

 11月14日、ブラジル代表はシンガポールで日本代表と対戦する。

 親善試合であり、何かの大会への出場権がかかっているわけでもない。しかし、カルロ・アンチェロッティ監督にとっては、ワールドカップ後、最も難しい試合になるだろう。そして何よりこの一戦は、ブラジルサッカーが現在置かれている状況を象徴するものとなるはずだ。

 ワールドカップから4カ月。ブラジルは単に何人かの選手を入れ替えようとしているのではない。まったく新しいチーム、新たなアイデンティティを模索している。2002年以来、ワールドカップの優勝から遠ざかっているセレソン(ブラジル代表)のイメージを払拭し、新しい姿を見つけようとしているのである。

 その変化を物語る数字がある。

 ワールドカップ後、最初の代表戦となったオーストラリアとの2試合(1-1、4-2)とインド戦(4-0)。アンチェロッティが選んだ26人のうち、ワールドカップを戦った選手はわずか9人だった。一方、フル代表初招集の選手は追加招集も含めると9人に上った。

 そして日本戦に向けて招集された選手のうちワールドカップのメンバーは、ドウグラス・サントス、ガブリエウ・マガリャンイス、ブルーノ・ギマランイス、ダニーロ、エンドリッキ、ラフィーニャ、ラヤン、ヴィニシウス・ジュニオールの8人のみ。残る18人がワールドカップ登録メンバーに入っていなかった選手たちだ。また、そのうち5人はフル代表初招集。つまりアンチェロッティは、2度の代表ウィークで14人もの新しい選手にセレソンの扉を開いたことになる。

 変化は顔ぶれだけではない。ワールドカップで29.6歳だった代表の平均年齢は今回、23.6歳となった。26人のうち15人が23歳未満で、9人はロサンゼルス五輪世代である。わずか数か月の間に、ブラジルは若者中心のチームへと変貌したのだ。

日本代表とは約1年で3度目の対戦となるブラジル代表のカルロ・アンチェロッティ監督 photo by JMPA日本代表とは約1年で3度目の対戦となるブラジル代表のカルロ・アンチェロッティ監督 photo by JMPA ただし、今回のメンバー構成にはブラジル国内リーグの事情も多少影響している。現在ブラジルでは全国選手権が終盤を迎え、順位を左右する重要な時期に差しかかっている。そこでアンチェロッティは、優勝争いを繰り広げるフラメンゴとパルメイラスからは選手を招集せず、その他の国内1部のクラブについては原則ひとりに制限した。

 その結果、今回の26人のうち、国内でプレーする選手はわずか6人となった。さらにレアル・マドリードのロドリゴ、パリ・サンジェルマンのマルキーニョス、チェルシーのジョアン・ペドロといった負傷者もいる。したがって、日本戦に臨むブラジルは現時点でのベストメンバーではない。

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