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【大学駅伝】「"早稲田祭り"を終わらせないと」 3戦連続2位の國學院大、箱根駅伝初制覇への課題と手応え

  • 杉園昌之●取材・文 text by Masayuki Sugizono

全日本6区で初の区間賞を獲得した國學院大・吉田蔵之介 photo by 代表撮影/Kyodo News全日本6区で初の区間賞を獲得した國學院大・吉田蔵之介 photo by 代表撮影/Kyodo News

國學院大は10月12日の出雲駅伝に続き、11月1日の全日本大学駅伝でも早稲田大の後塵を拝し、2位で終えた。前回の箱根駅伝から含めれば、学生三大駅伝は3戦連続の準優勝。安定して好成績を残し、近年は強豪の一角を占めるだけに忸怩(じくじ)たる思いがある。初の総合優勝を目指す箱根駅伝までは約2カ月。名門の圧倒的な強さの前に屈し、前田康弘監督をはじめ、選手たちは何を思ったのか――。

【ふたりのエース格が味わった悔しさ】

 健闘を称える銀メダルも慰めにはならなかった。國學院大は主力を欠いたわけでも、大きなアクシデントに見舞われたわけでもない。万全の態勢で臨みながら完敗。4区から2位をキープしたものの、独走する早稲田大の背中は見えなかった。

 目の前の現実を誰より重く受け止めていたのは主将の野中恒亨(4年)だ。閉会式を終えても、表情は険しいまま。足早に会場を出るさなか、重たい口を開いた。

「このままだったら、早稲田に絶対に勝てないですし、箱根を逃す。僕らはこんなところで止まっていられないです。もしも2位で満足しているような選手がチームにいれば、カツを入れます」

 箱根駅伝は10区間での争い。1区間20km以上の戦いになり、『別物』の駅伝とも言われるが、自他ともに厳しい男は危機感を露わにした。6区間の出雲は58秒差、8区間の全日本では3分34秒差で早稲田大に敗れた事実は重くのしかかる。

「現状を見れば、箱根では倍離されます。6分どころか、8分、10分と差がついてしまうかもしれない。もう全部の区間で勝たないといけないと思っています」

 当然、エース区間でも同じだ。伊勢路は看板選手が集まる7区を走り、ケニア人の2人、早大の山口竣平(3年)に次ぐ区間4位。今季は相手が留学生でも関係なく、勝利にこだわることを口にしてきた。自身の走りを振り返ると、より厳しい口ぶりになる。

「他大学のエースがどれだけ強かろうが、僕は勝たないといけないので。それができていない時点で話にならない」

 自らに言い聞かせる言葉には覚悟がにじんだ。

 そのキャプテンの襷を受け、アンカー区間の8区をまかされた髙石樹(2年)は個人にフォーカスを当て、現時点での実力差を痛感していた。出雲駅伝に続き、早大の工藤慎作(4年)に区間タイムで2連敗。スタートラインに立った時点から単独走で力勝負に挑むつもりで走り出した。12km地点までの差は10秒程度。まさか15km過ぎで大きな差がついているとは思わなかった。

「沿道のマネージャーからタイムを聞いて、これはどういうことなのか、ちょっと速すぎだろって思いました。僕の走りもうまくはまらなかったですが、そこまでペースは落ちていなかったはずです。本当に工藤さんが強すぎた。1秒でもいいから勝つつもりだったんですけど......」

 最長区間の19.7kmが終わってみれば、ちょうど1分差。終盤の上り坂でタイムを引き離され、得意の上りでも違いを見せつけられた。前回の箱根駅伝では同じ山上りの5区を走ったクライマー同士。「山の名探偵」の異名を持つライバルを意識しないわけがない。工藤は1時間09分46秒で区間3位だったが、髙石も当時1年生で1時間10分05秒と好走して区間4位の実績を残す実力者である。負けん気が強い"土佐っ子"は下を向かず、伊勢神宮の前で2カ月後の戦いを見据えていた。

「逆に燃えますよ。こんな大差で負けたことがないので。ここからどれくらい練習を積んでいけるかですね。"ガチ"(本気)で頑張ります。箱根、見ていてください」

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著者プロフィール

  • 杉園昌之

    杉園昌之 (すぎぞの・まさゆき)

    1977年生まれ。スポーツ総合出版社の編集兼記者、通信社の記者として働いた後、フリーランスのスポーツライター兼編集者へ。現在はサッカー、ボクシング、陸上競技、野球、五輪競技全般とジャンルを問わずに取材している。

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