ブラジル代表がサッカー日本代表との再戦を重要視する理由 目指すのは単なる世代交代ではない (2ページ目)
【選手の選考基準も変化】
アンチェロッティは自分が何をしようとしているのか、その意図を隠してはいない。
ワールドカップでベスト16での敗退という苦い結果に加え、オーストラリアやインドとの親善試合でも不本意な内容が続き、ブラジル国内では彼の仕事に対する批判が強まっている。オーストラリア戦前の記者会見で、アンチェロッティはこう認めている。
「招集した26人が、必ずしも現時点でブラジル最高の26人とは限らない」
そしてその理由を説明する。
「最優先事項は、2028年のコパ・アメリカ、そして何より2030年のワールドカップに向けて、勝利できる新しい世代を育てることだ」
10月の『TVグローボ』のインタビューではこう語った。
「ブラジル国民が嘆いていることは理解している。しかし、チームを刷新するためには犠牲、試行、努力、そして大きな忍耐が必要だ。私にはその忍耐力がある」
アンチェロッティは選手の選考基準も変えようとしている。従来、所属クラブで定期的に試合に出場していない選手が代表に招集される可能性はほとんどなかった。しかし、今は十分な出場機会を得ていなくても、将来性を評価されれば代表に招集される。ブラジルのメディアやサポーターにとっては、馴染みのない、理解しがたい方針だった。
「代表の将来を考え、その選手の成長を継続して見守ることが重要だと判断すれば、クラブで出場機会が少なくても招集する。ブラジル人にとっては、代表の作り方を根本から変えるやり方になるだろう。そのことはわかっている。しかし、責任を負うのは私だ」
その象徴が、チェルシーに所属する19歳のエステヴァンだ。クラブではまだ絶対的なレギュラーではないが、ブラジル代表の再建プロジェクトでは、最も重要視されている選手のひとりである。
過去のワールドカップを経験してきた世代は、セレソンでのサイクルを終えようとしている。もちろん、2030年大会でも十分に戦える年齢の選手は残るだろう。しかし、アンチェロッティが目指しているのは単なる世代交代ではない。将来の代表を担う選手を発掘し、チームの土台そのものを再構築することなのだ。
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