サッカー日本代表にうってつけの「0トップ」 森保采配には魅力的な「仕掛け」が欠けている
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連載第116回
杉山茂樹の「看過できない」
11月4日に行なわれた日本代表メンバー発表の記者会見。来年1月に開催が予定されていたアジアカップが12月に延期されると報じられたのはその前夜だった。壇上に座る山本昌邦・技術委員長兼ナショナルチームダイレクターは、「昨日の今日なので、状況を整えてから......」と、記者の質問に何度も言葉を濁していた。
記者会見ではアジアカップ延期や監督の任期について質問が相次いだ photo by Masato Fujita 森保一監督が大岩剛監督にバトンを渡す時期に関わる問題である。ただ、アジアカップの開催延期の可能性についてはAFCが半月以上前から検討していたことは周知の事実で、協会にとって寝耳に水だったわけではないだろう。決断力のなさを指摘されても仕方がない。
交代するなら早いほうがいいというのが筆者の見解だ。オリンピック本大会出場国が16から12へ減少し、チャンピオンシップとしての権威が大きく低下したオリンピックの男子サッカーを過大評価すべきでないことが理由のひとつ。そして森保サッカーにこれ以上、可能性を感じないことがもうひとつの理由である。
後者について言うならば、就任してからここまでの111試合、8年余りにわたる采配を見れば明らかだ。
けっしてアイデアマンではない。特に任期の後半は、もっぱら5バック同然の3バックで通すなど、頑なさが目立った。先のニュージーランド戦ではおよそ2年ぶりに4バックに戻し、会見ではその流れでブラジル戦、パラグアイ戦も戦うことをほのめかせたが、そう言われても特段、高揚感に誘われることはなかった。
その想いは、今回のメンバー発表でさらに強まった。4バックのサッカーを面白くする一番の要素と言われるサイドバック(SB)に、スペシャリストが選ばれていないからだ。SB軽視の流れで「4バックをやる」と言われても期待感は高まらない。
魅力的なサッカーをするためのギミックに欠ける。これは森保サッカーに対する最大の不満でもある。仕掛けが施されていないので、面白く見えないのだ。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

