6年ぶりにツアー復帰の森田理香子が見据える未来「QTも受けるし、レジェンズツアーにも出たい」 (2ページ目)
【若手のレベルは上がり、コースセッティングも変わったが】
そんな森田が、家族やファンに大きな喜びを与える試合があった。先日、10月5日に行なわれた「センコーグループLADY GO CUP」で、森田と藤本麻子のペアが優勝したのだ。
「LADY GO CUP」は結婚・出産などを経た30代以上の女子選手を対象にしたツアー外競技。国内ツアー14勝の有村智恵と同2勝の原江里菜が発起人で、同ツアーは3年目を迎えている。
「優勝はめっちゃうれしかったです!緊張もしましたけれど、楽しく回れました。出場選手も子どもがいる方が多いので、みなさん子どもを連れてきているんです。だから、私も姪(兄の子)を連れていったのですが、優勝するところを見せられたのでよかった(笑)」
こうした競技に出ながらゴルフの楽しみを実感ていく日々も、森田にとっては新たな経験でもある。人とのつながりが増えることで、気づきも増えた。
今回の「LADY GO CUP」のプレイベントでもあるシンポジウム「スポーツの力で越えるジェンダーの壁~多様性へのチャレンジ~」が都内で開催されたが、ここに森田も出演した。主催側の有村が声をかけて実現したが、こうした場所に呼ばれる"立場"になったということでもある。
「ツアーはどんどん若い選手が活躍するようになって、30代以上になって結婚、出産もして生活している選手にもチャンスが与えられるのはすごくいいな、と共感しています。ゴルフだけじゃない人生のほうが長いわけですから。これを形にしている有村さんは本当にすごい。そんな先輩たちの力になれればなと思って試合に出ています。私はどちらかと言えば、先頭に立ってやるタイプではないので、陰で支えていきたい(笑)」
とはいえ、今はツアーに復帰するなど"発信"していく立場でもある。
「自分が試合に出て周りに知ってもらったりとか、プロゴルファーは個人事業主で社長なので、自分のプロデュースも必要になってくる。私は表に出ていかないといけないポジションでもあるので、『LADY GO CUP』に出ることで30代以上で子育ても頑張っている選手たちがたくさんいるんだ、というのを伝えていきたいです」
様々なことにチャレンジすることで、充実した日々を送るが、ファンの心理からすれば、やはり期待したいのはツアーで上位争いする姿を見ることだろう。
近年は2年連続年間女王の山下美夢有、今季7勝の竹田麗央、さらには岩井明愛・千怜姉妹の躍進など、若手のレベルの高さを実感している。
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