「ポスト松山英樹」候補4人の可能性と課題 世界での活躍が期待される若手の現在地 (4ページ目)

  • 吉田洋一郎●取材・文 text by Yoshida Hiroichiro

 振り返ってみれば、プロ入り前後の松山や石川は、コーチを付けずに自分自身で試行錯誤してきた。しかし、現在は日本ナショナルチームのヘッドコーチをオーストラリア出身のガレス・ジョーンズが務め、若いうちから質の高い指導を受けることができる環境になっている。

 世界で活躍するための基礎固めが重要になる20代前半において、ロジカルな指導を受けた経験は大きな財産になる。優秀なコーチに教わることで、自己成長が早まると実感した経験があれば、より優秀なコーチを探すというメンタリティーにもつながる。世界で活躍するというビジョンがあれば、コーチの選択肢は自ずと世界基準となるだろう。

 無論、いい指導者を見つけることだけが正解でもない。実際に自分に合わないコーチをつけてスイング改造をし、キャリアを台無しにしてしまう選手も数多くいる。スイング改造にはリターンもあるが、リスクもある。体にメスを入れると思って、執刀医は慎重に吟味して、最善の手術方法を選択する必要がある。

 プロゴルファーが自らをレベルアップさせる方法に正解はない。ひたすら球を打ったり、自分で試行錯誤する方法が合っている人もいれば、他人にスイングの話をするだけで頭が整理される人もいる。

 いずれにせよ、これから世界に羽ばたいていく20代前半の選手に求められるのは、それぞれのビジョンとプロセスを大事にして自らの道を進んでいくこと。それが実現できれば、「ポスト松山」の地位も見えてくるかもしれない。

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