吉田優利、初勝利に至るまでの転機。近いうちに「勝てそうだな」と思える試合があった (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Image

――最終日はティーショットのほとんどがフェアウェーを捉えていました。それも勝因のひとつだったのではないでしょうか。

「それより何より、パーオン率がよかったのが大きかったです。セカンドがピンに寄っていたので、安定していいスコアが出せたんじゃないかと思います」

――2020年にプロデビューして、統一された同じシーズンとはいえ、"2年目"に初優勝。ご自身で、初優勝までの時間は長かったなと思う部分はありますか。それとも、順調なキャリアだと思っていますか。

「いえ(笑)、長かったとは思っていませんよ。いいタイミングで優勝できたんじゃないかな、と」

――初優勝を決めた瞬間の率直な感想を聞かせてください。

「優勝したことはもちろんうれしかったんですけど、初優勝を喜ぶというより、『この興奮をもう一度味わいたい』という感覚のほうが大きかったような気がします。ですから、すぐに『早く2勝目を挙げたいな』と思いました」

――実際、初優勝から1カ月あまりの9月上旬、ゴルフ5レディスで2勝目を挙げました。

「よく『2勝目が1勝目より難しい』と言われるのは、初優勝した時の記憶とか、うれしい感情が先行して、プレーが疎かになるんじゃないかなと考えていました。楽天スーパーレディースの翌週は東京五輪の女子が行なわれた週だったので試合がなかったんですけど、初優勝後はとりあえず、一打一打に集中することだけを考えてプレーしていましたね。

 そうしてゴルフ5レディスを迎えたのですが、その時は調子が完璧という状態ではないなかで、優勝することができました。1勝目とは違うことを学べたし、勝ち方もぜんぜん違ったので、大きな財産になりました。そうやって、結果としていろいろな経験ができて、充実したシーズンになりました」

――調子がいいから勝てるわけではないし、悪いから勝てないわけでもない。

「そういうのも含めて、これがゴルフだな、と学びましたね」

(つづく)

吉田優利(よしだ・ゆうり)
2000年4月17日生まれ。千葉県出身。2019年、プロテストに合格。2020-2021シーズンにツアー本格参戦を果たし、いきなり2勝をマーク。賞金ランキングも22位とルーキーシーズンに堂々たる結果を残す。「黄金世代」に続いて、女子ツアーで話題を振りまく「ミレニアム世代」のひとり。身長158㎝。血液型O。

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