吉田優利、初勝利に至るまでの転機。近いうちに「勝てそうだな」と思える試合があった (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Image

――初優勝は昨年7月末に行なわれた楽天スーパーレディースでした。そこに至るまでに、何かターニングポイントはありましたか。

「その約3カ月前のKKT杯バンテリンレディスで優勝争いができたこと。結局、勝てなかったんですけど、調子が上向いてきて『(近いうちに)勝てそうだな』と思えた試合でした」

――それまでの最高順位となる4位タイで戦いを終えた試合ですね。

「そうです。その試合までは、セカンドショットでそこまで大きなミスをしているわけではないのに、パーオン率が上がってこなくて。そのことがスコアを落としていく原因になっていました。逆に、ショートゲームは1年間ずっと安定していたんですよね。とにかくショットを洗練していけたら、上位で戦えると思えた試合でした」

――初優勝は、ちょうど東京五輪のゴルフ競技が行なわれている日程とかぶっていました。男子とはいえ、大きな注目を集める東京五輪の裏舞台で戦う心境はいかがでしたか。

「私はオリンピックに出ることができなかったので、JLPGAの試合に集中すべきと思っていました。ですから、東京五輪のことを気にすることはなかったというか、自らがプレーしている舞台に集中していました」

――首位と1打差でスタートした最終日は後半の5連続バーディーを含め、トータル8つのバーディーを奪う圧巻の逆転優勝でした。

「追いかける立場でしたから、優勝を意識するよりも『自分がいいプレーをすれば、結果がついてくる』と思ってプレーしていました。とにかくいいスコアで回れるように、と。

 ラウンドしていて、なかなかスコアボードで順位を確認することができなかったんですよね。それで後半に入って、前の組が伸ばしているんだなと把握したところから、私自身のエンジンがかかったような状態でした」

――初優勝がかかった試合では、追われる立場よりも追う立場のほうが気持ちに余裕があるのでしょうか。

「私はトップで最終日を迎えたことがないので、そこはまだわからないですね。ただ、トップにいようが、追いかける立場であろうが、自分がいいゴルフを続けられれば、結果がついてくるのは当たり前なので。自分のゴルフを貫けるかどうか、ではないでしょうか。追われる立場の戦い方というのは、今後勉強していきたいです」

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